過去ログ - 八幡「俺が仮面ライダーに……?」
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4:くすっち[saga]
2016/11/23(水) 17:40:53.13 ID:L30vDNXh0
平塚が立ち止ったのは何の変哲もない教室。プレートには何も書かれていない。
俺が不審に思っていると、彼女はがらりとそのドアを開けた。
教室内には机と椅子が無造作に積み上げられており、そのスペースの約半分が埋め尽くさ
れている。
物置代わりか何かだろうか。特別な内装などは一切ない、普通の教室。
その中心に、彼女はいた。
座って本を読んでいる少女は、まるで世界の終わりが来ても彼女だけはそうしているんじ
ゃないかと思わせるような、そう錯覚させるような雰囲気。
不覚にも俺は見とれてしまった。
彼女は来訪者に気付くと、本を閉じてこちらを見上げる。
「平塚先生、ドアを開ける時にはノックをお願いしたはずですが……いつになったらあな
たには常識が身につくんですか?」
端正な顔立ち。しかしそこから放たれた言葉は刺々しかった。
「ノックしても君は返事をしないだろう?」
「返事をする前に先生が入ってくるんですよ」
彼女は不満そうな顔をする。
俺は、この少女を知っている。二年J組雪ノ下雪乃。常に学年一位をとる秀才。
その上容姿端麗で、この学校で知らない者はいないというほどの有名人だ。
「それで、そのぬぼーっとした人は?」
ぬぼーって、お前。俺は水地面タイプのポケモンじゃねぇッつーの。
「彼は比企谷八幡。入部希望者だ」
「二年F組比企谷八幡です。って、おい、入部ってなんだよ」
「君にはペナルティとしてここでの部活動を命じる。異論反論抗議質問口答えは認めない」
「そうですか……」
俺はくるりと背を向けて歩き出す。俺は早々と帰ることにした。
「おい!どこへいく!」
「いや、口答えすんなっていったのはそっちじゃないですか。だから行動で示してるんで
すよ」
「そんな言い訳が通じると思うのかね」
「俺は別に悪いことしてませんからね。先生に年齢の話をしたからって理由だけで部活な
んてまっぴらごめんですよ」
「知らないのか?女性に年齢を聞くというのは、それだけでセクハラになるんだぞ?」
「別に聞いたわけじゃねーし。なら訴えるなりなんなりご自由にどうぞ」
ったく。こんな茶番に付き合っていられるか。
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