過去ログ - 幸子「今日、私はボクを卒業します」
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20:名無しNIPPER[saga]
2016/11/26(土) 18:30:35.91 ID:i8kqGCrS0
グラスを軽く合わせると、小さな鐘の音が静かな部屋に生まれました。僅かな、それでいて確かな余韻を残して。
再び静寂に包まれた私の部屋で、プロデューサーさんは目を細めてグラスワインを見つめています。
味覚以外の五感で味わっているような、そんな感じです。


以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2016/11/26(土) 18:32:54.37 ID:i8kqGCrS0
「ちょ、幸子は飲んでも構わないが酒そんな強くないだろ。ワイン一気にあおったら回るぞ」

その通りです。
すでに体の奥が熱くなっている感覚がします。心臓も高鳴っています。
でも、それはワインのせいだけではありません。
以下略



22:名無しNIPPER[saga]
2016/11/26(土) 18:34:54.43 ID:i8kqGCrS0
幼いころから両親にカワイイと溺愛され育てられました。実際カワイイですからね。

このカワイさを世界にアピールするため、アイドルになると決めました。
カワイイ自分をもっと見てもらうために。褒めてもらうために。愛してもらうために。

以下略



23:名無しNIPPER[saga]
2016/11/26(土) 18:36:29.18 ID:i8kqGCrS0
プロデューサーさんに褒められたいと。

プロデューサーさんに認められたいと。


以下略



24:名無しNIPPER[saga]
2016/11/26(土) 18:37:51.65 ID:i8kqGCrS0
自分の気持ちに気付いてから、たくさん悩みましたよ。アイドルに恋愛なんてご法度です。

ファンのみなさんのために。プロデューサーさんのために。
『ボク』の想いは胸にしまって、『私』がアイドル輿水幸子でいるために。

以下略



25:名無しNIPPER[saga]
2016/11/26(土) 18:43:04.64 ID:i8kqGCrS0
「――なんて、言っちゃいましたけど」

「……」


以下略



26:名無しNIPPER[saga]
2016/11/26(土) 18:44:32.23 ID:i8kqGCrS0





以下略



27:名無しNIPPER[saga]
2016/11/26(土) 18:47:08.71 ID:i8kqGCrS0
沈黙のなか、心臓の鼓動だけが大きく聞こえます。
プロデューサーさんにまで聞こえてしまうんじゃないかと心配なくらいです。

どれくらいの時間が経ったんでしょう。数秒とも数分とも思える時間でした。

以下略



28:名無しNIPPER[saga]
2016/11/26(土) 18:49:17.11 ID:i8kqGCrS0
「これからは胸を張って自分のことを私と呼べます。明日からもプロデュース、お願いしますね」

「あぁ任せとけ。それと、ありがとうな」

「こちらこそ、です」
以下略



29:名無しNIPPER[saga]
2016/11/26(土) 18:56:42.48 ID:i8kqGCrS0
窓を開けると冷えた空気が頬をはたきます。
厚い雲で星は見えませんが、その雲から粉雪が舞い落ち、街中のイルミネーションに溶けていって。
それはまるで星屑に包まれているかのようで。


以下略



30:名無しNIPPER[saga]
2016/11/26(土) 19:00:54.76 ID:i8kqGCrS0
遅刻だけど幸子誕生日おめでとう。
ここまで読んで下さった方に、花束を。


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