過去ログ - 【モバマス短編集】「私が居たから」
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11: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 01:56:34.17 ID:r1h6adL+0
うだつの上がらない気持ちで家の天井を見ても、答えは何にも返ってこない。
それだけなら良かったんだ。
返ってこない答えを待ってる方がずっと楽だった。
12: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 01:58:01.73 ID:r1h6adL+0
「……お、奈緒? 大丈夫?」
ふんわりと乙女の香りがする。
声の方向を見やると、眉根を潜めた加蓮が覗き込んでいた。
13: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 02:00:19.68 ID:r1h6adL+0
着いた先はカラオケだった。
ソファーに座ってるだけで加蓮がジュースまで持ってきてくれる。
なんだかお姫様になった気分で、ちょっぴり楽しかった。
14: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 02:02:12.72 ID:r1h6adL+0
昨日、凛から送られてきたメッセージは一言だけ。
『プロデューサーと結ばれた』
別にPさんを意識してたわけじゃないけど、何よりも胸が苦しくなった。
15: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 02:05:37.02 ID:r1h6adL+0
くちびるが震えているのが分かる。
普段は気にならない身体の一つ一つが敏感になっている。
バクバクとうるさいくらいに心臓が跳ねてる。
16: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 02:09:13.33 ID:r1h6adL+0
「っぐぅ、うっ……」
横隔膜が痙攣して上手く空気交換ができない。
口から漏れ出る音は、もう言葉ですらなくて、
17: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 02:11:12.30 ID:r1h6adL+0
「奈緒はね」
ぎゅっと加蓮に抱きしめられる。
「もふもふしてて、あったかくて、安心するの」
18: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 02:15:39.23 ID:r1h6adL+0
そこから先のことはあまり覚えていない。
加蓮相手に泣きじゃくった気もするし、がむしゃらに歌った気もする。
自分の気持ちと向き合って、改めて考えてみた。
19: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 02:17:45.63 ID:r1h6adL+0
「ふぅー」
事務所の前で深呼吸。
うん。大丈夫。
20: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 02:19:07.21 ID:r1h6adL+0
「Pさん!」
意思を込めた声で呼ぶと、Pさんも凛もきょとんとした顔をしていた。
へへん。もう今までのあたしじゃないぜ。
21: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 02:20:30.08 ID:r1h6adL+0
「…………。」
なんとも言えない沈黙が。
「で、どした? なんかお前今日変だぞ?」
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