過去ログ - P「輿水幸子は無数に存在する」
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59: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/08(木) 22:20:54.69 ID:LNih3IB00
「言い訳に聞こえるかもしれませんけど、ボクもただ逃げてたわけじゃないんですよ。芸人じゃなくなれば良いのかな、て。もし仮にアイドルに見えてないんだとしたら、アイドルだって思ってもらえるようにすれば良いのかな、て。ここに籠もっている間も、他のアイドルの動画を観て、研究してたんです。ボクの目指すアイドル。その場所へ辿り着く道程を探してました。頑張ってたんです。心は確かに折れましたけど、粉々にまではなってません」

「……なんてったって、ボクですからね」と、冗談めかして言った幸子は優しげに笑う。

「……でも、きっちり心は折れてましたから。だからって外に出ようとは思いませんでした。どうせ無駄だと思ってました。事務所に戻るなんて、考えられなかったんです」
以下略



60: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/08(木) 22:23:06.44 ID:LNih3IB00
「ゆっくり、段々と、飲み込めてきました。芸人みたいなことをしてるんだから、芸人と呼ばれるのは当たり前です。でもそれもボクなんです。ボクの一部です。批判する人はいても、そんなボクを好いてくれる人だってたくさんいるって、気付いたんです」

 だから。そう幸子は挟むと。

「ボクは、今のボクをもう少し続けてみようと思います。もう少しだけやってみて、それでも先が見えてこなければ、その時になってから、ボクのアイドル像に変化をつけてみようと思います」
以下略



61: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/08(木) 22:25:45.78 ID:LNih3IB00
 ――それからお互い、涙が落ち着くまでにしばらくの時間を要した。

 涙が涸れ果て、感情が落ち着いてしまうと、どっと眠気と疲れが襲ってきた。
 ぴくりとも体が動く気がしなかった。

以下略



62: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/08(木) 22:31:42.74 ID:LNih3IB00
 旅は、続いた。

 一つ、二つ、三つ四つ五つ六つ七つ八つ――――百を超えた辺りで渡り歩いた世界の数をかぞえるのをやめた。

 アイドルにすらなれていない、見習いの幸子。
以下略



63: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/08(木) 22:34:09.59 ID:LNih3IB00
 俺はプロデューサーだ。幸子をサポートするのが俺の仕事だ。

 どの世界の幸子も俺は応援し続けた。

 見習いの幸子にはデビューへと至るための道程を示した。
以下略



64: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/08(木) 22:36:34.91 ID:LNih3IB00
 俺は幸子を求めた。

 輿水幸子は無数に存在する。尽きることはない。

 この世界の幸子とはこれで終わりかと名残惜しくも、次はどんな幸子と巡り会えるんだろうと胸を弾ませる。
以下略



65: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2016/12/08(木) 22:40:28.13 ID:LNih3IB00
続き、明日にします。

たぶん明日終わります。


66:名無しNIPPER[sage]
2016/12/08(木) 22:48:30.98 ID:bin5OHdDO


戻れるのか、このPは


67:名無しNIPPER[sage]
2016/12/08(木) 23:15:47.24 ID:TlfXfsnQo
???「おのれプロデューサー!この世界もお前によって破壊された!」


68:名無しNIPPER[sage]
2016/12/08(木) 23:22:00.84 ID:oNFst+uio
乙乙
そういえば幸子本人とはまだ何にも仕事してないんだよなぁ……


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