12:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 21:42:25.07 ID:Hhhi1HzW0
染みは路地裏に向かうよう、続いていました。
点々としている染みを追いかけていると、その色が段々と濃くなっていきます。
これ以上は良くない、人もいないし視界も悪い。なにより嫌な予感がする。
13:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 21:43:23.77 ID:Hhhi1HzW0
大丈夫、問題ない、逃げられるはず。
一歩、また一歩と後退するごとにアレとの距離が離れていく中、曲がり角まであと少しというところで、砂利を踏んでしまいました。
血を啜るのに夢中だった女の動きが止まります。
14:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 21:44:22.59 ID:Hhhi1HzW0
花陽「いや、離してっ!!いやああああ!!」
両腕を使って必死の抵抗を試みますが、女性とは思えない怪力になす術もなく、徐々に口元が首に近づいてきているのが肌でわかりました。
15:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 21:45:13.96 ID:Hhhi1HzW0
花陽「ううっ……やああああああああっ!!」
何故そうしようと思ったのかは、わかりません。
16:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 21:46:06.98 ID:Hhhi1HzW0
さっきと同じことができれば、私はこの化物に勝てる。
──この化物を殺し切れる。
17:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 21:47:09.91 ID:Hhhi1HzW0
/7
路地裏から飛び出した私は、思いがけない人物と出会いました。
希「おっ、花陽ちゃんやん」
18:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 21:48:30.70 ID:Hhhi1HzW0
極度の緊張から解放されたせいか、意識が段々と遠のいていく。
最後に視たのは、倒れ込もうとする私を支える希ちゃんの顔に刻まれた、白い線。
あの化物にも刻まれていた、線。
19:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 21:50:39.94 ID:Hhhi1HzW0
/8
真姫ちゃんの両親が経営する病院で眼が覚めたあと、私は警察から簡単な事情聴取を受けました。
内容は思っていたよりあっさりとしたもので、拍子抜けするぐらいのもの。
20:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 21:51:26.64 ID:Hhhi1HzW0
真姫「……花陽」
確かに大変で、おまけに凄惨でした。
21:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 21:52:13.51 ID:Hhhi1HzW0
真姫「しばらく練習休んだ方がいいんじゃないって話」
花陽「え、ええっ!?どうしてそんな話に!?」
真姫「病院ではお静かに」
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