123: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 20:57:25.87 ID:Ihpvpbn40
「霞! どうしたの!」
「だ・・・大丈夫よ、朝潮・・・」
体全体が熱く、目の焦点がふらついている。
124: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 20:57:54.05 ID:Ihpvpbn40
「・・・司令官に相談するわ」
朝潮は服を雑に着て、霞を背負う。
霞は大丈夫と言って抵抗するものの、その力は非常に弱い。
125: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 20:58:46.36 ID:Ihpvpbn40
「霞の体が、とても熱いんです!」
霞は、朝潮の背中で怠そうにしている。
提督は、執務室の横に備え付けられた提督の寝室に、朝潮を誘導する。
126: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 20:59:14.51 ID:Ihpvpbn40
提督は悩む。
艦娘とは、深海棲艦が海で発見されると同時に、軍の本部で発見された妖精が、
資材を元にして作り出したヒト型生物である。例外やその他細かい事情はあるが・・・
127: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 20:59:44.04 ID:Ihpvpbn40
「司令官・・・」
朝潮が涙を浮かべて、提督を見る。
提督は、悩む暇はないと思った。
128: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 21:00:17.04 ID:Ihpvpbn40
「・・・30分程度で、車が来る。それに乗ってくれ」
霞の息が、静かに荒くなっていく。声を出す気力も、もうない。
しかし、本当の問題はここからだ。
129: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 21:01:12.38 ID:Ihpvpbn40
「司令官・・・あの、私・・・」
朝潮が、気まずそうに、提督に小声で言う。
霞に付き添いたい、と。
130: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 21:02:32.28 ID:Ihpvpbn40
「来たな」
「はい」
車のエンジン音が聞こえた。
131: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 21:03:43.80 ID:Ihpvpbn40
「司令官、毛布をお借りします」
「ああ、構わない。気をつけてな」
「はい。私と霞の代わりも、お願いします」
132: ◆zPnN5fOydI[saga]
2017/01/22(日) 21:04:11.09 ID:Ihpvpbn40
朝潮は、自分の膝を枕にして、霞をうつ伏せにした。
いつもの霞であれば、任務を放り投げる、朝潮と提督の判断を、ことごとく責めるだろう。
しかし、今の霞には、その気力すら無い。
562Res/249.96 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。