過去ログ - 市原仁奈「はじめてのおしょくじ」
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6: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/10(火) 22:54:52.47 ID:1vmwn4+80
さて、どうしたものか。

こうしているうちに親が迎えにくればいいけれど、一向に誰も来ない。

仕方ない。親父に言って、店の中で待たせるか、と考えたところで。
以下略



7: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/10(火) 22:57:36.01 ID:1vmwn4+80
殴られた、親父に。

「こんな小さい子に手を出しやがって!」

「出してねえよ!」
以下略



8: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/10(火) 23:05:25.46 ID:1vmwn4+80
殴られた、何も言ってないのに。

「考えてることが顔に出てやがんだよ、お前は」

「親父に言われたくねえよ。っていうか子供に暴力シーン見せんな。怯えるだろうが」
以下略



9: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/10(火) 23:07:36.78 ID:1vmwn4+80
「とりあえず、何か飯作って作ってやってくれ。腹減ってるみてえだ」

「おう」

「あ、あと俺の分も。夕飯食ってなかった」
以下略



10: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/10(火) 23:10:45.70 ID:1vmwn4+80
ギャーギャーと、低レベルな争いを始めた俺達を止めたのは少女の一声だった。

「あ、あの、お金、あり、あります」

ぴたっと俺達は喧嘩を止め、親父が優しげな声(どう聞いても全然優しげじゃないけど、親父なりに頑張ったんだ。諦めてくれ)で少女に必要ないと言い聞かせる。
以下略



11: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/10(火) 23:14:04.55 ID:1vmwn4+80
あと、初めてのおつかいを見てる気分って、こんななのかもしれない。

変な意味ではなく、見ていて和む。

横では親父の顔も微笑ましいものを見る綻んだものになっている。キモい。
以下略



12: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/10(火) 23:15:58.80 ID:1vmwn4+80
「はい、お待ち」

親父が目の前にハンバーグ定食を置く。

ウチの客は基本的に仕事帰りのオッサンばかりで、子供はあまりこない。
以下略



13: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/10(火) 23:18:20.17 ID:1vmwn4+80
「おいしそう……」

しかし、食い入るようにハンバーグを見る少女は一向にハンバーグを食べようとしない。

「箸ならそこにあるぞ。それともフォークとナイフの方がいいか?」
以下略



14: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/10(火) 23:20:20.12 ID:1vmwn4+80
どうやらこの健気な少女は、俺の分の料理がくるのを待っててくれるつもりらしい。

とはいえ、仮にも今は営業中で客の前だ。

今俺が食べ始めるのは躊躇われるし、さっき親父に頼んだ夕食もこの子が帰ったあとのつもりだった。
以下略



15: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/10(火) 23:21:09.77 ID:1vmwn4+80
食べ始めてからのうさぎ少女は速かった。

もぐもぐと、見ていて面白くなるくらいの食べっぷりでハンバーグを口に運んでいく。

ずいぶんとお腹が空いていたらしい。
以下略



16: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/01/10(火) 23:23:06.08 ID:1vmwn4+80
今日の夕食が美味しかった理由について、やはり客に出す料理と普段俺に出す料理は違う肉使ってんのかな?などと思考を巡らせること数分。

いつの間にか少女の手が止まっていた。

嫌いな物でもあったのか?と思ったがそうではなく、少女は目を閉じてゆらゆらと頭を揺らしている。
以下略



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