過去ログ - 李衣菜「…ここどこ?」
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52: ◆GWARj2QOL2[saga]
2017/01/12(木) 21:29:36.04 ID:gex3pyg2O
突然、キャタピラの動きが重くなる。

何かにつかえて移動が出来なくなるほど、自分の足は弱くはない。

「…まさか…」

腹部を見る。

「…貴様…!?」

そこには、金色の線が入った、黒い腕。

後ろに目をやると、ニヤリと笑みを浮かべる、実験体6号の姿。

その顔は、傷一つない。

口を少し切っただけで、全くダメージを受けていない。

「…!当たった筈だ!!」

だが、それは大きな間違いだった。

よく考えれば、おかしかった。

「…」

いくら彼女の体重が軽いと言えど、殴った時の手応えは、まるで紙切れ。

「…まさか…」

「…避ける方法なんてさ、いくらでもあるってことだよ…」

ガンガディンの腕が当たる瞬間。

夏樹は頭を思い切り回転させ、その威力を最低限にまで殺した。

「…やっぱアンタら、バカだよ…」

1tを超える自身の体重。

その自分が今、徐々にだが、持ち上げられている。

「…な、何…!?」

「・・・アタシもだけど・・・なァ・・・!!!」

夏樹の足元のコンクリートに、ヒビが入る程の重さ。

「ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛・・・!!」

「は、離せ!!離せ!!!!」

自身のトラウマが、蘇る。

転ばされ、うつ伏せになり、亀のように何も出来なかった、あの時。

それは、敗北のフラグ。

「や…やめろ…!」

「・・・ッラァァァァアアアアアアア!!!!!」

それは、その時よりも酷い、頭部が地面に突き刺さり、視界が真っ暗になるほどのもの。

人間が使う技、ジャーマンスープレックスだった。


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