171:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 21:30:55.94 ID:GAp3y7O8o
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静岡県、浜松基地。
航空自衛隊発祥の地として名高いこの場所が、
172:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 21:31:35.74 ID:GAp3y7O8o
滑走路を疾走するキサラギの頭部ステアに掴まりながら、
マミがインカム越しに叫ぶと、
必死すぎていっぱいいっぱいの声が返ってきた。
マミは同じようにステアに掴まるアミと目を合わせてから、心配そうに上空を見上げる。
173:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 21:32:28.85 ID:GAp3y7O8o
キサラギ運搬は、ベロチョロの機体下部に取り付けられたグリップを
キサラギ自らが掴み、そのままぶら下がるような状態を保って行われることになる。
したがって、離陸時からキサラギを係留することはできず、
ベロチョロは一度飛翔してから低空に入り、
174:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 21:34:29.40 ID:GAp3y7O8o
ヤヨイの声が震えるのも無理はなかった。
人材不足の防衛軍がパイロットの素養テストを
学生にまで引き下げて実施したのが数ヶ月前。
ヤヨイが適正アリと見込まれて軍に入隊し、
175:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 21:36:17.51 ID:GAp3y7O8o
マミ「OK、ヤヨイっち! そのままの姿勢を維持して!」
ヤヨイ『了解……!』
アミ「よぉーしっ……今度は完璧に決めるぞ〜〜っ」
176:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 21:37:04.90 ID:GAp3y7O8o
アミ「どわわわわ〜〜〜っ!」
ヤヨイ『アミ! マミーーーーっ!』
マミ「ヤヨイっち! 私たちはいいから回避して!」
177:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 21:39:56.49 ID:GAp3y7O8o
格納庫の中、キサラギは体勢を崩して前のめりに倒れそうになる。
そこがもし火薬庫でもあって、そのまま転倒したなら、
巨体は爆発物を押しつぶして格納庫を跡形もなく吹き飛ばしていただろう。
たとえそうではなかったとしても、
建造物の中でキサラギが派手に転がれば構造材の耐久力など紙にも等しく、
178:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 21:41:16.49 ID:GAp3y7O8o
片膝をつき、胸部を抱きかかえるようにキサラギを受け止めた巨人は、
キサラギと同じ、巨大ロボであった。
無骨な素材感を残したままの外装、
巨体にしては頼りなくも細長いように見える四肢。
179:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 21:44:51.97 ID:GAp3y7O8o
キサラギを支えたまま、ロボの頭部がガクン、と動く。
ステアにしがみ付くままだったアミとマミは、
そこで巨大ロボの最大の特徴に気が付いた。
確かにキサラギによく似た頭部には、しかし確実に、
キサラギにはない巨大なパーツがひと組取り付けられていた。
180:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 21:46:35.83 ID:GAp3y7O8o
顔をしかめ、口を尖らせて不満の色を隠すこともなく姿を見せた少女だったが、
目の前に迫っていたキサラギの顔を見て、
「あれ?」と間の抜けたような声を発した。
しかし次には、その顔が見る見るうちに綻んでくる。
うわ、笑顔が可愛い、とアミたちは素直に感心した。
181:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 21:49:49.85 ID:GAp3y7O8o
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浜松基地には、防衛軍の正規隊員が使用する食堂の他に、
養成学校校舎内にも広い食堂があった。
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