333:名無しNIPPER[saga]
2017/02/05(日) 20:26:37.80 ID:sKfYX8RPo
怒りを顕にして抵抗の意志を持ち続けるヒビキではあったが、
宝を守るための手段は既に皆無と言って良かった。
アニマには巨大ロボと戦えるだけの戦力も無ければ、
逃げるための術もヒビキは持ち合わせていない。
つまり降参しようとしなかろうと、至宝は奪われることはほぼ確定している。
ただ唯一、僅かな可能性に賭けるとすれば……
ヒビキ「逃げるんだ、みんな! どこでもいい、とにかく隠れろ!」
侵略者が諦めるまで、逃げ隠れ続けること。
僅かな可能性、という言葉ですら誇大な表現となるほどの幻想のような道筋。
だがヒビキは諦めなかった。
ヒビキの心を支えたのは怒り、そしてアニマの巫女としての使命感。
文字通り死んでも渡さないという強い意志がヒビキの心には宿っており、
その意志がはっきりと現れた目を、踵を返して走り去る直前に、タカネは見ていた。
そしてその背を見て初めて、タカネは冷然として動くことのなかった眉をひそめる。
タカネ「……宝を守るなどと、くだらぬことに執着を……」
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