60:名無しNIPPER[saga]
2017/01/21(土) 20:38:35.91 ID:JL8wN2Aao
ハルシュタイン「しかし……イオリは面白いやり方を見せてくれているぞ」
タカネ「イオリ……? 確か、地球という辺境惑星を攻めていると聞きましたが……」
ハルシュタイン「自ら目覚めてくれるのであれば、
わざわざ探し出して確かめる必要もないということだ」
淡々としたハルシュタインの言葉が、またもタカネの眉を動かした。
遠回しな表現で自分のやり方を馬鹿にされたことに対する怒りは、
タカネの中で、一瞬の稲光のように瞬いた。
しかし、その心はすぐに冷える。
怒りなどは何の意味も持たない。
今はハルシュタインの目指すところが
自分の到達すべき極みと場所を同じくしていると信じて、親愛の情を示すのだ。
仮初めであろうが、それが自分の心を誤魔化すための手段であろうが……。
今は、ハルシュタインの前で色のない微笑みを見せるタカネであった。
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