過去ログ - 未来人「少し先の未来で、待ってるから」
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11: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/03(金) 20:13:32.32 ID:Nr4cjnOQ0
 放課後、私は日直だったので、花に水をやるために一人で教室に残っていた。

 珍しく、未来人はいなかった。

 百均で売ってあるような安っぽいジョウロに水を入れて、ピンク色の花に水を注ぐ。
 花びらから水があふれる。

「誰かいますんかー」

 廊下から川田の声がしたので、「はーい」と返事をしてから、

 ジョウロを握る手から力が抜けた。

 川田?

 川田はたしか、おととい。

 頭が混乱する、ジョウロからあふれた水で、青色の上靴が水に濡れる。
 靴下に染み込んでくる気持ちの悪い水道水に気を配ることもできず、
 ただ、廊下へつながる扉を睨むように見つめる。

 匂いが見える。

 焦げた紫色。川田の匂いは緑だったはず。こんな気持ちの悪い色ではない。川田じゃない。でも川田の声。けど違う色がはっきりと見える。

 近づいてきている。返事をしてしまっているから。

 居場所はバレている。逃げないと。

 でも出口は廊下しかない。足音が扉の前で止まった。



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