過去ログ - 未来人「少し先の未来で、待ってるから」
1- 20
40: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/04(土) 22:41:32.11 ID:VUzEAQad0

 私は排水路から飛び出ると、2人から少し離れて、大きく息を吸った。

 ……焦げ紫。間違いない。

 今、走ってきた方から、間違いなく、焦げ紫の匂いがする。
 その時の焦りというか、緊張感というか、ジトッとした手汗の感覚は、今でも忘れない。

 山田が排水路から出てきて、中村と山田が肩を貸してくれた。

「いるって……どこに?」

「わからない。けど、今来た方向から」

 焦げ紫が濃くなる。

「こっちにきてる」

 2人は足元が覚束ないようにそわそわしていた。たぶん私もしていた。

「が、学校に向かわないと」

 中村が震えた声でそう言ったが、私はそれを引き止めた。

「い……今動いたら、化け物が私たちを見失っちゃう。もし、化け物が私と同じで匂いで付いてきてるなら、暫くここに隠れてたから、匂いが残ってて、それでここに向かってるんだ」

 ……だから、私たちは、化け物に姿が見つかるまで、この道にいないといけない。

 2人が息を飲んだのが聞こえた。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
55Res/58.49 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice