過去ログ - 未来人「ここにいるよ」
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38: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/12(日) 00:35:31.30 ID:BcSldTJc0

 ソイツが行動を起こす、少し前。

 私たちはカレーを食べ終えて、食器を洗い終えて、班ごとに歩いて部屋に戻っていた。

以下略



39: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/12(日) 00:36:06.17 ID:BcSldTJc0

 気になって振り返ると、彼女は、林道の横道の奥を眺めて、立ち止まっていた。

「なにしてるの」

以下略



40: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/12(日) 00:37:23.09 ID:BcSldTJc0

 それから2時間くらい後。

 私たちは風呂の時間という名のカラスの行水を終えて、寝る準備を整えていた。

以下略



41: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/12(日) 00:38:58.38 ID:BcSldTJc0

 しばらく黙って歩く。耳に入るのは2人分の砂利を踏む音だけで、匂うのは薄紫だけ。
 明かりが届かないところまで来ると、東田は突然、私に話しかけてきた。

「滝野さんは賢いよね」
以下略



42: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/12(日) 00:39:30.81 ID:BcSldTJc0

「猫は好き?」

 東田は立ち止まった。そして迷いなく、半身で振り返った。

以下略



43: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/12(日) 00:41:57.06 ID:BcSldTJc0
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44: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/12(日) 00:42:31.68 ID:BcSldTJc0

 逃げないと。

 混線した頭がやっと導き出した答えを、私は震える膝に頼み込んで、やっとのことで振り返ると、後ろから低い声で、

以下略



45: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/12(日) 00:43:04.42 ID:BcSldTJc0

「キャンプ用のナイフでも、人って切れるのかなぁ? とりあえず、猫の肉は切れたから、たぶんいけると思うんだけど」

 子供が持つには刃渡が長すぎるナイフは、僅かに雲の隙間から漏れている月の光を、その身に独占するように、東田の左手の中で、過剰に輝いていた。

以下略



46: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/12(日) 00:43:39.03 ID:BcSldTJc0

 私は涙を流した。よく思い出せないけど、目は閉じていたと思う。

「……はぁあ?」

以下略



47: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/12(日) 00:44:13.48 ID:BcSldTJc0

 翌日と翌々日は、恐ろしいほどに、普通に過ぎていった。

 未来人も東田も、何事もなかったかのように自然教室を楽しんでいて、私は、気でも狂ったのか、それともあれは夢だったのか、本気で自分の心配をした。

以下略



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