過去ログ - 武内P「女性は誰もがこわ……強いですから」
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265: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2017/03/11(土) 11:34:30.07 ID:23pDOjCz0
「こんにちはCPのプロデューサーさん。文香さんが気を失われているようですが、どうかしましたか?」


彼女はそう言いながら、何気なくタブレットを背後に回しました。

嫌な予感がします。

よくよく考えてみると、気を失った鷺沢さんを私が抱きかかえているのを見たにしては、橘さんの態度は平静すぎます。
慌てて駆け寄ってきたり、文香さんに何をしたんですかと私を詰め寄るのが橘さんらしい。

そして私たちに向けられていて、何気なく隠されたタブレット。


「橘さん……いつからおられましたか?」

「……………………プロデューサーさんが文香さんの手を握りしめ、愛の告白を始めたところからです」

「なぜ目をそらすのですか? 最初から見ていたのではないですか?」

「いいえ。少なくともこの待ち合わせ場所に来て――」


よそを向いたまま、吹けるのならば口笛でも始めそうな様子から一変。
彼女は背後に『ロンパァ』という擬音表現が出てきそうな会心の笑顔と共に、後ろ手に持っていたタブレットをかざし、小気味よく人差し指で叩いて見せました。


『鷺沢さ……文香さん。テレビで貴女の姿を一目見た時から心奪われました』


「撮影を始めたのは告白辺りからです」

「……ッ!!?」


橘さんに目撃されたこともさることながら、録画までされていた事実に思わず鷺沢さんを支える力が抜け、ずり落ちそうになって慌てて支えなおします。


「ん……」

「さ、鷺沢さん……気がつかれましたか?」


録画の件は大問題ですが、鷺沢さんの体調の方が大事です。
鷺沢さんは私の声かけにうっすらと目を開き、目の焦点が徐々に合い始めました。


「プロ、デューサーさん?」

「はい。今貴女を医務室に連れて行く最中でした」


目が覚めて突然男に抱きかかえられている状態です。
誤解と混乱を産まないようにまずそのことを伝えたのですが、まだ意識がはっきりとしていないのか彼女には聞こえていない様子でした。


「プロデューサーさん……夢じゃ、なかったんですね」

「夢……ですか?」


視界の端で、鼻息を荒くしながらタブレットを操作している少女が気になりますが、今はこちらです。


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