過去ログ - ウルトラマンオーブ 【僕たちの翼は真っ白】
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11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:31:39.28 ID:aSwZMWdb0

「だから、一目で『こいつら違うぞ』って思わせるオーラを持ったやつだよ」

 残念ながら、と僕は答えた。すると風介は溜め息を吐いて、演技ぶった仕草で首を振った。

以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:32:07.05 ID:aSwZMWdb0

 空見ルリ子は僕より二歳年下の女の子で、当時はまだ高校二年生だった。

 幼馴染みと言われるとその単語の定義を疑う程度の付き合いしかなかった。
 僕が小学生の三年の頃、近所にルリ子の家族が越してきた。彼女は一年生だったからしばらく一緒に通学路を案内してあげたとか、僕の友達グループに混ぜて遊んであげたとか、そのくらいだ。
以下略



13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:32:38.70 ID:aSwZMWdb0

「お前幼馴染みなんだろ? ちょっと頼んでみてくれないか?」

 気が乗らなかったが、僕は二か月間の代返を条件に承諾した。
 ちょうどこのバンドの曲よりつまらない講義が朝一にあってうんざりしていたところだったのだ。
以下略



14:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:33:09.69 ID:aSwZMWdb0

 そうしてルリ子は風介たちのバンドに加わることになった。
 歌わせてみると彼女は非常に特徴的な声をしていることが判明し(声も聞いたことがなかったというのだから呆れたものだ)、すぐさまメインボーカルに据えられた。

 彼女は物怖じしない人間だった。初めてステージに立って観客たちを相手にしても全く怯むことなく自分の歌声を披露した。
以下略



15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:33:44.38 ID:aSwZMWdb0

「君は手がきれいだよね」

 と言ってみたことがある。練習が終わって風介と拓実がトイレに行って、久しぶりに二人きりになった時のことだ。

以下略



16:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:34:35.05 ID:aSwZMWdb0

 バンド名を決めたのもだいたいこの時期だった。
 当初は「DADA泉」というセンスの欠片もない名前を使い続けていたが、我慢ならなくなったので僕が改名を提案した。

「じゃあどういう名前にする?」
以下略



17:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:35:15.62 ID:aSwZMWdb0

「モノクロパンダ……モノクロカラス……」

「あっルリ子ちゃんそれいいじゃん。モノクロカラス」

以下略



18:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:35:44.83 ID:aSwZMWdb0

   ◆

「わたしね、宇宙人なの」

以下略



19:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:36:24.10 ID:aSwZMWdb0

「いつ発つんだ?」

「七月二十七日」

以下略



20:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:36:52.97 ID:aSwZMWdb0

   ◆

「解散かあ」

以下略



21:名無しNIPPER[sage saga]
2017/02/23(木) 22:37:25.61 ID:aSwZMWdb0

「むしろお前が一番大変だろ。四年の夏になっていきなり就活始めなきゃいけなくなるなんて」

「そうですね」

以下略



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