過去ログ - いろ鬼 (オリジナル百合)
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18: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 21:55:03.05 ID:ArEOG84Z0
1限目、クラスメイトの一人が遅刻したので、遅刻届を提出するように促さなければならなかった。
斜め隣の席にいたので、懇切丁寧に紙にしたためて放り投げてやった。
そいつは、紙を開いて、坊主頭をぐるぐる回し、私と目が合うや、『めんどくさい』と口パクで教えてくれた。
私は切れ気味に、舌打ちして、前の席の男子生徒の椅子を蹴り上げる。

「あ、あの?」

男子はびくびくして、振り返った。

「ちょっと、隣のやつに遅刻届け出すよう言っておいて」

図書委員の彼は小さく『ええ〜ッ』と悲鳴じみた声を出したが、素直に従ってくれた。
彼はまた私に午前の平安を脅かされないようにするため、友人を説得するのに必死になってくれるだろう。
力こそ正義。
ルールに従わない奴が悪い。

『委員長、こわーい……』

『別に蹴らなくてもねえ……』

聞こえてるから、女子。
1年の時に学んだ事がある。
この時期に必要なのは体の良い女子同士の馴れ合いではない。
自分を捻じ曲げずに、堂々としていられるかだ。
でなければ、進学や試験のための勉強なんてクソ真面目にやっていられない。
そして、委員長の仕事を全うすること。
そんな面倒くさい仕事も、内心が有利になるから以外に請け負う理由はなかった。
さっさと推薦をもらって、一足先に勝ち組にさせてもらえればそれでいい。
そう言えば、彼は―――あのショタは、将来どうするんだろう。
思い出すと鼻の中が熱くなったので、すぐに妄想を止めた。


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