過去ログ - 【安価とコンマ】行き当たりばったり幻想郷生活四日目
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名無しNIPPER
2017/04/04(火) 06:14:24.96 ID:k4D60RXh0
妹の病室を後にして、1階のロビーまで戻ってきた生田《いくた》スオウは、空いていたソファに深く座ると、さきほど聞かされた担当医師の言葉を思い返した。
『このまま心臓の移植が行われない状態が続きますと、妹さんの体はもって一ヶ月半、いや、病状の進行が予想を早まった場合は、一ヶ月もたない可能性もあります。もはや一刻でも早く心臓移植を行わないとならない状況です。残念ながら現在の医学では、心臓移植以外の有効な手立てはありません』
以下略
976
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名無しNIPPER
2017/04/04(火) 06:14:56.21 ID:k4D60RXh0
怒りにも似た思いが、スオウの心中に生まれてくる。かといって、ごく普通の高校生でしかないスオウが、妹の為に出来ることは限られている。忙しい両親の代わりに、毎日学校帰 りに欠かさずに妹の病室に見舞いに来ることしか出来ないのが現状だった。
もっと他におれに出来ることはないのか?
以下略
977
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名無しNIPPER
2017/04/04(火) 06:15:52.37 ID:k4D60RXh0
翌日、スオウはいつもと同様に、終業時間と同時に学校を出ると、妹の待つ病院に向かった。病床の妹を気づかいながら当たり障りのない世間話をしていると、不意に妹のアカネが泣きそうな表情を浮かべてスオウを見つめてきた。
「お兄ちゃん……わたし……いつまで生きられるの……?」
以下略
978
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名無しNIPPER
2017/04/04(火) 06:17:05.07 ID:k4D60RXh0
高校二年の10月。目覚めたら元クラスメイトたちがいた。俺たちは放課後、拉致された。
宍銀学園高等学校の皆さんがゲームに参加しました。
――――AM11:00、会議室
本堂 空太(ほんどう くうた)
以下略
979
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名無しNIPPER
2017/04/04(火) 06:20:38.68 ID:k4D60RXh0
皆さん、絶望ゲームへようこそ
壇上の上に立って話を始めた、目の周りに仮面をつけた奇妙な人物。声から男性であることだけが分かるが、それだけだ。薄暗い体育館の中で、そこだけはスポットライトが当たったように明るい。
俺を含めた、困惑する周囲の学生を尻目に、男は壇上の上で話を続ける。奇妙な時間だ。突然校内放送で全校生徒が体育館に集められたかと思えば、教師は誰もおらず壇上には得体のしれない男が立っている。心なしか、体育館全体の空気もどこか怪しげなものに感じられた。
男
以下略
980
:
名無しNIPPER
2017/04/04(火) 06:21:28.59 ID:k4D60RXh0
そんな俺たちの困惑をよそに男は演説を進める。
男
しかしそれは本当に信頼できるものなのでしょうか。いいえ、私はそうは思いません。所詮友情などと言った目に見えないものは簡単に偽ることができるのです
周囲もこの異常ともいえる空気を感じ取っているのか、「なんかおかしくないか?」などと言うささやき声が聞こえてくる。ちらりと視線を壇上からそらすと、体育館横の出口からこっそり外に出ようとしている生徒の姿が目に入った。
以下略
981
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名無しNIPPER
2017/04/04(火) 06:22:11.03 ID:k4D60RXh0
生徒
あれ? おい、開かねえぞ!?
そんな声が体育館全体に響き、思わずそっちを向く。先ほど逃げようとしていた生徒たちが、扉を開けようと必死に引っ張っている。しかし扉が開く気配はない。
以下略
982
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名無しNIPPER
2017/04/04(火) 06:22:49.19 ID:k4D60RXh0
そう言って男性が腕を振るうと、再び扉近くで悲鳴が上がった。
修
今度は何だ!?
慌てて声がしたほうを向くと、そこに先ほどまであったはずの血などがきれいさっぱり消えていたのだ。
以下略
983
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名無しNIPPER
2017/04/04(火) 06:23:56.67 ID:k4D60RXh0
ゲームマスター
今ここにいる皆さんには、これから友情を試すゲームに参加してもらいます
以下略
984
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名無しNIPPER
2017/04/04(火) 06:24:43.69 ID:k4D60RXh0
その言葉にどこからかカチカチと音が聞こえてくる。すぐに気付く、それは自分の歯から鳴っている音だった。自分でも気が付かないうちに体が震えていた。
正直こんなゲームに参加したくないどころか、一刻も早くここから抜け出したいという衝動に駆られたが、先ほどの光景が脳裏をよぎる。あっけないと思うほどあっさりとその命を落とした生徒たち。その痕はいつの間にか既にきれいさっぱりなくなっており、あれは夢だったんじゃないかと錯覚しそうになる。
しかしそんなはずはない。確かに目の前で人が死んだ。その事実は俺だけじゃなく、周りにいる生徒をも縛る鎖のようなものとなって、俺たち全員から逃げ出すという選択肢を奪い取ってしまったのだ。顔を隠すマスクに妙に丁寧な話し方も恐怖を植え付けるのに一役買っている。
剛
以下略
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