309:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:18:25.73 ID:ha7ZcpN9o
いつもの旅姿の感覚で思いっきり抱きついた穂乃果だったが、今はそれほど厚くない素材の病院着。
柔肌の感触に動揺しきっている海未から慌てて離れ、照れ隠しに頭を掻きながらへらりと笑う。
さて、この二人が会えば最初に浮かぶ話題は自然と一つ。
310:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:19:09.18 ID:ha7ZcpN9o
若干ふてくされ顔、穂乃果は遺憾の意とばかりに片腕をぶらぶらさせる。
そんな穂乃果の手首に、キラリと見慣れない輝き。
腕輪?アクセサリー?
穂乃果がその類を付けているのが珍しくて、海未は首を傾げて尋ねかける。
311:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:19:36.41 ID:ha7ZcpN9o
顔を伏せる。
予感してはいたが、自分でも思った以上にショックを受けている。
穂乃果が認められたのは心から嬉しい。だが自分にはリングが与えられず、そして自身でもそれは妥当なのではないかと感じている。
素人からここまで一息に駆け上がってきた穂乃果に比べ、自分は凡才なのではないか。
312:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:20:14.12 ID:ha7ZcpN9o
穂乃果「海未ちゃん、勝負しようよ」
海未「勝負…ですか。生憎ですが、色々と気付いていなかった怪我があって、しばらくは安静にするようにと…」
穂乃果「じゃあリザードンとゲッコウガだけでいいから!」
313:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:21:04.40 ID:ha7ZcpN9o
登場、即座の指示!
ニトロチャージは火炎を纏っての加速突撃。
シンプル故に始動が早い。が、加速が乗り切るまでに若干の助走距離を必要とする。それは海未が突くべき綻び。
しかしその小さな欠点を、穂乃果は加速のための必要距離ギリギリへとボールを投じることでカバーしてみせている。
314:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:21:30.63 ID:ha7ZcpN9o
海未「何故です…!ゲッコウガ、もう一度“みずのはどう”!」
『ゲッッ…コウガッ!!!』
315:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:22:02.22 ID:ha7ZcpN9o
海未とゲッコウガは同時、相手が発動させた凄まじい炎に微かに怯む。
初めての戦い、ヒトカゲの頃から見知っている相手が、これほどまでに激烈な炎を!?
そんな海未たちの動揺を、穂乃果の天性の嗅覚は鋭敏に感じ取っている。
炎と水の優劣、それは常に絶対ではない。
316:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:22:38.41 ID:ha7ZcpN9o
これはペラップの時と同じだ。
いくら知識があっても、ポケモンの性能で上回っていても、指示を下せないようにされてしまえば何もできない。
その状況を作り上げてしまったのは自分の慢心、迷い、力不足。
いっそ、いっそ自分が代わってあげられればどんなに…!
317:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:23:09.02 ID:ha7ZcpN9o
海未に宿った共感覚、それが何なのかは海未もゲッコウガも理解していない。
ただ今までよりもその絆はより深く、鋭く。
放たれた海未の指示はゲッコウガの耳へと届き、磐石を以って理解を!
感覚の相互理解は新たな技を呼び覚ます。
318:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:23:51.23 ID:ha7ZcpN9o
【オハラタワー編・完】
319:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:33:26.94 ID:ha7ZcpN9o
…
季節は初夏から針を進めて晩夏、初秋へ。
樹々は深緑から鮮やかな黄紅、鮮やかに色付いて人々の目を楽しませ、ポケモンたちへは多くの実りをもたらしている。
978Res/1221.34 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。