353:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:53:50.80 ID:ha7ZcpN9o
穂乃果とことり、それに花陽のトリオ。向こうは今頃何をしているだろう。
そんなことを考えながら、海未は山を見上げて明日の登頂へと想いを馳せる。
これまでの旅路でも山があれば積極的に登ってきた。何故かと問われれば、そこに山があるから。
その経験はトレーナーとしても活きている。体力の向上はもちろんのこと、手持ち五匹で一番の新顔は山地、冷え込む洞窟で捕まえたポケモンだ。
354:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:54:16.43 ID:ha7ZcpN9o
花陽「ん、凛ちゃん…?」
山のどこかに親友の悲鳴を聞いたような気がして、花陽はふっと顔を上げる。
けれ海未と希が同伴、危険があるとも思えない。
355:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:54:51.78 ID:ha7ZcpN9o
穂乃果「おーい!」
そんな花陽へと駆け寄ってくるのは穂乃果だ。
猛ダッシュで元気よく、面前で立ち止まると、軍手で鷲掴みにした何かをジャジャン!と見せつける。
356:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:55:20.61 ID:ha7ZcpN9o
山に入ってからそろそろ三時間、穂乃果たちの位置はまだそれほどハチノタウンから離れていない。
花陽もまた凛と同じく、本格的な山入りは明日の朝からと考えているのだ。
しかし、まさか延々と食材集めをするだけだとは。
落ちているドングリをおもむろに拾い上げ、隣にいるドラミドロへと見せる。
357:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:55:46.49 ID:ha7ZcpN9o
ことりは食材集めに夢中の穂乃果たちから少し離れ、台地の端、切り立った崖になっている場所から下を見下ろす。
数十メートルの下方、そこには白づくめの衣服に袖を通したアライザーが二人。
ことりは道を戻り、穂乃果たちへと声をかける。
358:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:56:15.79 ID:ha7ZcpN9o
━━ドチャリ。
「なんだぁ?」
「変な音が…」
359:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:56:48.00 ID:ha7ZcpN9o
“鳥面”。
その存在が悪党たちの間で囁かれ始めたのは数ヶ月前、ダイイチシティからことりたちが姿を消した少し後から。
綺羅ツバサに負け、イーブイを奪われたことりはドラゴンタイプの力に魅せられた。
360:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:57:39.00 ID:ha7ZcpN9o
アライザーの片割れは、どうやらかなりの実力者らしい。
オノノクスを繰り出して即座、命じた技は“りゅうのまい”。
龍としての本能を呼び覚まして攻撃性と速度を高め、臨戦の眼光がことりとドラミドロを捉えている。
361:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:58:07.18 ID:ha7ZcpN9o
男が怯えてバタつかせた手が、ことりの注射器を弾き飛ばした。
割れるガラス、溢れて地面へと吸い込まれる薬液。
けれどことりは事もなげ、小首を傾げて呟いた。
362:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:58:34.97 ID:ha7ZcpN9o
穂乃果「ところでさ、花陽ちゃん。この山の伝説のポケモンってどんなのが出てくるの?」
ことり「あ、それ、ことりも気になるなぁ」
363:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:59:01.23 ID:ha7ZcpN9o
一般に、伝説と呼ばれるポケモンは人々の前に滅多なことでは姿を見せない。
しかし稀に、各地方で立て続けに伝説の存在が目撃されることがある。
その条件は動乱。
巨大な悪の組織が現れ暴威を見せた地方には、必ず何かしらの伝説のポケモンが姿を見せるのだ。
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