526:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 07:51:28.19 ID:ha7ZcpN9o
歩み去ろうとすることり…
その背へ、鈴の音が響く。
『リリリ…』
527:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 07:51:56.45 ID:ha7ZcpN9o
ことりはしゃがみ、文字通りに心底から心配し続けてくれる希の指を包み込む。
戦いの中、ずっと理解しようと、ことりの心を治そうと交信し続けてくれていたのが感覚として理解できている。
希という少女はとびきりの超能力者で、それならことりの胸に宿っている感謝の気持ちは言葉にするまでもない。
万感の“ありがとう”を胸に強く念じて、ことりよりもよほど泣き出しそうな顔をしている希に笑顔を向ける。
528:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 07:52:25.79 ID:ha7ZcpN9o
海未「昔から仲の良い幼馴染として付き合ってきて、どうにもずっと不思議だったことがあるのです…」
ことり「……!?…!!?」
海未「貴女はとても性格が良くて本当に素敵な子なのに、何故だかたまに貴女が原因で話が拗れることがあると!」
529:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 07:53:34.39 ID:ha7ZcpN9o
グッと、海未は顔の横で握り拳を作ってみせる。
ことりは未だに驚きに硬直気味で、希もまたそんな様子に首を傾げずにはいられない。
希「あの、海未ちゃん、諸々の話の流れは理解してるん…?」
530:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 07:54:01.96 ID:ha7ZcpN9o
海未「昔から穂乃果と私が喧嘩をするときは、大抵穂乃果が滅茶苦茶を言っているか、私が意固地になっているか。どちらが悪いかがはっきりしているので尾を引きません」
ことり「う、うん…」
うん「ですがことりの場合、悪気はないので言いにくい。私や穂乃果からの物言いがやんわりとした形になり、暴走がなかなか止まらない。
531:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 07:55:22.73 ID:ha7ZcpN9o
結局のところ、全ての起点はそこだ。
それは今までにも明白で、そんなことをわざわざ尋ねる海未がわからない。
じゃあどうすればよかったのか。それがわからなくて、こんなにも…!
532:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 07:55:50.37 ID:ha7ZcpN9o
ことりはうなだれる。返す言葉が出てこない。
思い返せば綺羅ツバサ、彼女の去り際に囁かれた“手段を選ばず強くなれ”という言葉が呪縛として、ことりの心を闇へ、闇へと向けさせていた。
三人でいれば…大好きな二人と一緒にいれば、もっと違う道もあったはずなのに…!
ありえた他の可能性。
533:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 07:56:16.05 ID:ha7ZcpN9o
取り返しのつかない過ち、その傷を埋めるかのように、自分の温もりを冷え切ったことりの体へと移すかのように。
そんな様子を、希は起き上がれないまま微笑ましげに眺めている。
そんな視線に気が付き、海未はハッと。
恥ずかしかったのか、咳払いを一つして一言追加。
534:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 07:56:43.85 ID:ha7ZcpN9o
ことりは神妙に手首を差し出す。が、にこはヒラヒラと手を煽ってそれを流す。
にこ「アンタは保留。にこは今、アライズ団絡みで超…絶!忙しいの。ゴルーグは定員オーバーだし、後から自分で自首でもしときなさい」
535:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 07:58:19.19 ID:ha7ZcpN9o
にこと希の隣、巨兵の上からは赤髪がちらり。
真姫がひょこりと顔を覗かせて、地上へと目を向ける。
海未に抱きしめられたことりの姿を目に、怒ったような顔で、うるっと瞳を潤ませ、涙声で語気を荒げる。
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