726:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 16:13:49.41 ID:ha7ZcpN9o
希「あーあ、ウチも意外と大したことないなあ。年下の真姫ちゃんたち相手に負けちゃいそうやん?」
そう言って戯けた口調、希はわざとらしく眉を顰めている。
真姫たちは緊張したまま反応を返さない。残念そうに掌をひらりと煽り、そして希は残り二つのボールをふわり、触れずに宙へと浮かべてみせる。
727:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 16:15:15.54 ID:ha7ZcpN9o
だが、希本来の意識が少し邪魔しているのだろうか。
ポケモンたちと自身が自在に念動力を使えるにも関わらず、真姫たちへと致命的な攻撃を繰り出してきてはいない。
今し方の連撃を防げなかったところを見ても、判断力の類はいつもより低下しているように見える。
728:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 16:16:14.82 ID:ha7ZcpN9o
あまりにも酷い。三人はトレーナーとしての実力で負けたわけではない。
いや、メガフーディンの力は凄まじかった。正面から戦っても負けていた可能性は高い。
だが、希の念力で首を締め上げられ、指示を出すことさえできなかった。
三人は戦いの土俵に上がらせてもらえていない!
729:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 16:16:42.22 ID:ha7ZcpN9o
瞬間、テレポートによる奇妙な浮遊感が三人を包む。
上下左右がごちゃ混ぜになるような感覚に襲われ、しかしその感覚はすぐに失せる。
希の力に掴まれていた喉は解放されていて、欠乏していた酸素を呼吸に取り込み…
眼下に、戦場と化したロクノシティが見えている。
730:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 16:17:10.66 ID:ha7ZcpN9o
真姫「希……っ」
希「………恨んでええよ」
真姫「必ず、あなたを助けるから!!」
731:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 16:18:44.04 ID:ha7ZcpN9o
三人がぶつかったのは地上ではない。
水面へと叩きつけられ、そのまま飲み込まれ、クリアな水中へと沈んでいく。
いくら水への落下とはいえ、相当な距離を落下していた。普通ならば全身の骨が砕けて即死だろう。
だがその水は随意に制動されていて、まるでクッション。
732:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 16:20:06.95 ID:ha7ZcpN9o
果南は力強く頷き、狂気に飲まれてしまった同僚を見上げている。
四天王の中では新参だが、人当たりの良い希とは既に仲が良い。果南にとってもこの対峙は、友人を救うための戦いでもある。
対し、希にとってこの会敵は想定内。覇気に満ちた果南の接近を、数分前から感じ取っていた。
真姫たちを“サイコキネシス”で即座に殺めることもできた。
733:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 16:20:57.65 ID:ha7ZcpN9o
…
にこ「ぐ…げほっ…!」
734:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 16:21:31.06 ID:ha7ZcpN9o
腹立たしげに呟き、闘志は未だ健在。
熟年刑事ならここで気付けにタバコをふかすか、スキットルからウイスキーを一口、そんな場面だろうか。
だがにこはそんなオヤジ趣味なものは嗜まないので、風邪気味の時に買ったままコートの内ポケットに入れっぱなしだったロキソニンを数錠口に放り込んでガリゴリと噛む。
痛み止めだ。多少はマシになるかもしれない。骨折だのの激痛を抑えられるかは微妙だが。
735:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 16:22:22.16 ID:ha7ZcpN9o
蹂躙劇は酸鼻を極めている。
市中、ミュウツーの念波動に倒壊したビルは二十に迫る。
戯れに車両を空へと放り、ハイウェイへと圧を掛けて横倒しに。
交通の要衝、幹線道路へと掌を落とせば凹み、大陥没。
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