893:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:48:19.92 ID:ha7ZcpN9o
何をやってもダメダメ。
上手くいかず諦め癖もある、生まれながらの精神的敗北者。
かつてはそんな少女だったルビィだが、それでも多少は得意なこともある。
以前にダイイチシティでことりへと語ったように、裁縫は趣味であり特技でもある。
894:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:48:48.78 ID:ha7ZcpN9o
倒れ込んでいる理亞と隣にいるレントラー、そこへ無遠慮に“サイコキネシス”の波動を叩き込んでいる!
直撃していればレントラーへと大ダメージを与え、何より理亞を昏倒させることができていただろう。
だが理亞の身体能力は常人よりも遥かに優れ、倒れた姿勢から身軽に跳ね起きて姿勢を立て直す。
レントラーに服の裾を咥えさせ、猛獣の瞬発力に念波の効果圏から逃れている。
895:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:49:30.89 ID:ha7ZcpN9o
意外というべきか、一度攻勢に移れば、ルビィは存外に思い切りがいい。というか容赦がない。
一般に、弟や妹がいる人間は手加減という感覚を体得しやすい。
自分より生物としての機能に劣る年下と接する中で、容赦だの遠慮だのという感覚が培われるのだ。
896:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:49:59.66 ID:ha7ZcpN9o
理亞がルビィを嫌悪するのは因縁だけでなく、同族嫌悪も多分に含まれている。
一見すればまるで真逆の性格をした二人。
だがその実、理亞もその本質は甘えたがり。姉に依存気味の妹だ。
鹿角姉妹の場合は親を失った境遇も手伝っていて、少しずつ自立しつつあるルビィと比べ、姉への依存心はもしかすれば上かもしれない。
897:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:50:27.99 ID:ha7ZcpN9o
さておき、理亞が劣勢を覆せずにいるのは手持ち、搦め手を使える面子が既に潰されてしまってるため。
今出ているレントラー、それにエースのマニューラはどちらも物理主体のポケモン。
特殊型にロングレンジで攻められている状況を巻き返すのにはあまり向いていない。
898:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:50:56.22 ID:ha7ZcpN9o
ふわりと、黒の重量感は皆無。
まるでそれがハリボテであるかのように、理亞の手にした“黒星”が宙を舞っている。
理亞「な…」
899:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:51:31.07 ID:ha7ZcpN9o
逆転の手段、それがルビィの手へと奪取される。
人を容易く殺められる鉄の牙はその対象を逆へと変じ、これで勝負に幕が降りる?
否、理亞は前へと走る。
ルビィから向けられた銃口をまるで意にも介さずに、鋭く距離を詰めていく!
900:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:52:44.57 ID:ha7ZcpN9o
もう一つ付け加えるなら、まだ安全装置が解除されていない。
精神的に撃てないことはわかっていたし、物理的にも撃てないのだ。
結果として、理亞にとっての怪我の功名。
拳銃への躊躇に思考が止まったことで、理亞は大きく距離を詰めることに成功している。
901:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:53:17.88 ID:ha7ZcpN9o
『ムシャアッ!』
『グルァルルゥ!!』
902:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:54:32.74 ID:ha7ZcpN9o
線が細く、幼い印象のある二人が組み合っている。
状況と事情を知らずにここだけを抜き取ってみれば子供同士の喧嘩、その程度に見えるかもしれない。
だが、理亞がまっすぐに振り落とす拳は痛烈だ。
三打、四打…ルビィの頬は腫れ、瞼は内出血に青んでいる。
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