過去ログ - これから日記を書く 七冊目
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175: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/27(土) 04:10:54.33 ID:sY7bYUWb0
「あなたは何者なの?」

出発準備を進めている放浪者に、エコーは当然とも言える質問をした。超能力者といっても、今回のサンシャインの破壊ができる存在は限られてくる。エコーの持つ超能力についても攻撃能力は存在するが、あの城壁のような装甲には無力だ。次にフェアリーならば、単体ならば何も問わず浮かすことができる。だが、近づかなければいけないという部分でいくと、奇襲以外だと大きな危険が伴う。

超能力者であってもそういう状況なのだから、いくらファントムシリーズを有している放浪者と言えど、そこから更に困難が伴う。その事実が、超能力者であるエコーにとっても、驚愕するしかない。
以下略



176: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/27(土) 04:16:56.13 ID:sY7bYUWb0
今後のことを含めて、DJフレンドと放浪者は放送室で会議をしていた。まず、フレンド達がこの場所から退避するかについてだったが。

「…必要はない。今回の件、どうも奴等は超能力者の集団によるものと誤解したようだからな」

WWPの追撃時に、兵士達が超能力者だと叫んだことを放浪者は聞き逃さなかった。そして、それは都合のいい解釈と言えた。DJフレンドの勢力がいたと言う事実を覆い隠せる暗幕になる。
以下略



177: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/27(土) 04:35:21.58 ID:sY7bYUWb0
「それにしても、ここいらの発電がWIPという関連のものだったなんてね」

工場地帯のみならず、周辺で電気が使えていた理由は、サンシャインのメインであるレーザー砲への充填用の発電システムによるものだった。DJフレンド達も発電所等がたまたま生きているのだろうとしか思ってなかった。

電気を必要となる活動をしているフレンド達にとっては、プロジェクトの副産物を享受していたことになる。皮肉な事実だが、それによって得られる強みは、他の勢力の人間にはないものだろう。
以下略



178: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/27(土) 04:50:26.99 ID:sY7bYUWb0
開けられた扉がノックされる、そこにいたのは香坂の姿。神妙な面持ちで、放浪者と話がしたいとのことだった。話をしなければいけないことは大体終わり、DJフレンドも全体への周知の為、放送室を後にする。

扉は閉められ、二人きりになる。だからと言って恐縮する様子もなく、彼女の眼には強い光が宿っている。

「単刀直入に聞きます。貴方は本当に、ただの生存者なのでしょうか?」
以下略



179: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/27(土) 04:56:35.40 ID:sY7bYUWb0
けれど、それが自分だけの力でやっていると、放浪者は思ったこともない。全てはメンバーに支えられてきたからこそ。探索組と共に危険を退け、回収組のおかげで背中を任せられ、警備組がいるからこそ拠点で穏やかに過ごせる。

手を結ぶ者たちの存在もそうだ。研究所のサポートにより困難を切り開き、DJフレンド達の放送で世界は動いていることが知れる。保安官の店で語らう事も惨劇前の幸福を思い出させ、ハンターの苛烈さを見て現実を再確認する。千護達の切実な誓いが希望を思い起こさせる。

そして、今目の前にいる若き香坂達も未来に託せる存在として、彼は見ている。
以下略



180: ◆e6bTV9S.2E[saga sage]
2017/05/27(土) 05:04:45.16 ID:sY7bYUWb0
>>169
1日で起きてるんじゃよ。
結果はこういう風に誤認した感じやね

>>170
以下略



181:名無しNIPPER[sage]
2017/05/28(日) 07:05:22.33 ID:sz0+8FVF0
乙!
んで、サンシャイン騒ぎの熱も冷めやらぬ内に拠点に出戻りか……予想された襲撃に、放浪者はまた顔を顰めるだろうな


182: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/29(月) 04:21:08.98 ID:K08K4Lpc0
「…ではな、しばらくは気をつけてな」

ここにいるすべての人間は、屋上に集まっていた。放浪者達の見送りの為だ。彼が来てから少ししか経っていないように思えるが、もうまもなくで、1日が経過しようとしている。

フロートボードの上に、放浪者、エコー、フェアリーの順で乗っていて、放浪者とエコーはアクシデント時に備えて腰と腰をロープで結んでいる。バレットパレードの任務の終了は、まだ真の意味で終えていない。WWPに気取られず、『無事』に戻る。それが出来てこそ、この任務は完璧な遂行となる。それが分かっている放浪者に、いつも通り気を抜いた様子はない。
以下略



183: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/29(月) 04:29:35.77 ID:K08K4Lpc0
用意された部屋に戻る最中、香坂は放浪者の言葉を反芻していた。畏怖する気持ちは残っていたが、あの短い間での会話でそれはだいぶ薄れている。この世界において、彼が実直な人間だと理解できたおかげだ。

『…もし、君達の目的を無事に終えたら、ここでも俺たちのところでもいい。戻ってきてくれると助かる』

WWPが親の死にどう関わっていたのか調べ、どうなるにせよその後に3人でどこかの場所で拠点を構えることになる。そういった事を話し合ったわけではないが、そんな未来を彼女は想像していた。だから、戻れる場所などないと思っていた。それはもう、失われたものと考えていたからだ。
以下略



184: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/29(月) 04:35:30.48 ID:K08K4Lpc0
『じゃあ、あんたらの帰還を待ってるぜ。伊吹が残るから、なんかあったら言ってくれ』

エクスとのやり取りも終わり、聞こえてくるのは風切の音。WWPの別同部隊追撃時に無茶をさせたが、今のところ不調の様子はない。

「あとどれくらいでつくのー?」
以下略



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