過去ログ - これから日記を書く 七冊目
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165: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/25(木) 00:25:20.96 ID:oyLDUuPu0
DJフレンド達は、しばらく地下道に籠ってからエコーの音響探査の結果を基に、地上へ移動していた。激しい戦闘があったにも関わらず、ゾンビの姿がないのが救いだろう。過去には、強力な武力を持っていた裁判所の勢力が周囲の処理を進め、DJフレンドも定期的に経過をしている。元々、人がいる地帯ではないことを含めると、このあたりにはあまりゾンビはいないという事実だろう。

フレンド達もサンシャインの残骸にすぐ気づけた。陽の光によって燃える周囲が、その場所を照らしているからだ。急いでその場所に全員向かう。フレンドの依頼通り、放浪者はサンシャインを破壊した。その放浪者の姿は、どこにもいない。無線を使って呼びかけても、返答はない。

「まさか…」DJフレンドから言葉が漏れる。何があったか想像できない。しかし、もはや事が終わったというのに放浪者が姿を現さないということは、何か予期しない事態が起きた。最悪の場合。
以下略



166: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/25(木) 01:41:37.88 ID:oyLDUuPu0
「おにーちゃん、どこー?」

天真爛漫と言えるフェアリーも、心配そうな様子で飛び回るのが印象的だ。

DJフレンドと新井がサンシャイン内部を探索しているが、ほとんど熱で変形している状態。彼等にはサンシャインの詳細は知らされていないが、内部が融解した状態から考えられない高音が発生したことは伺わせた。もしこの中に人が留まっていれば、跡形もなく消えてしまうだろう。新井は首を振り、DJフレンドは更に奥へと入っていく。
以下略



167: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/25(木) 02:27:06.93 ID:oyLDUuPu0
今はもう、WWPはここに来る理由はない。それでいて、高速で移動できるものを持っている存在がなぜこちらの方面に向かって移動しているのか。エコーは、音が聞こえる方、闇に向かって聞き耳(ぎょうし)した。

聞き覚えがある音は、迷いなく一直線に近づいてくる。風切り音と、その上に何かが存在しているような音が特徴的。ついにその音は、周囲の炎に照らされる形で姿を現す。フロートボードに乗った、放浪者その人である。

「…どうした、何かあったか?」
以下略



168: ◆e6bTV9S.2E[saga sage]
2017/05/25(木) 02:35:44.69 ID:oyLDUuPu0
>>164
まぁ、確かにいろいろ錯綜してるからねぇ・・・。


>>165の修正
以下略



169:名無しNIPPER[sage]
2017/05/25(木) 04:34:27.68 ID:ez77GqkH0
乙乙

1日でこれだけの事が起きたの?マジで?
WWPからしたらレジスタンスか芸良達かと考える事あって大変そうだが残した部隊がどんな風に報告するのやら


170:名無しNIPPER[sage]
2017/05/25(木) 06:39:23.02 ID:L8jA8jymO
最初のスレじゃ生き延びるだけで精一杯だった放浪者が今では立派な戦闘マシーンに
やだ素敵


171: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/26(金) 02:22:14.27 ID:WogFjCSk0
WIPの回収部隊は、壊滅状態に陥っていた。唯一残った後続部隊の兵士達も、仲間が無残にやられ配送するしかできることはない。残った指揮官も失い、頼みの綱は残された無線だけ。だというのに、今から連絡しようとする中性的な兵士は、どこか淡々としている。別人だが、最初に放浪者が処理した指揮官に報告した兵士と、同じ雰囲気を漂わせていた。

後続隊も大多数失ったこと、その原因を読み上げるのように無線から告げる。事務的な冷たさがあった。

この結果は、WWPにとって損失でしかない事態だ。責任をとれる上官がいれば、どんな処罰が下されるかもわからない。彼らにとって最悪なのはWIPに残されたプロトタイプ、サンシャインは完全に破壊されている。一部回収されたデータの解析が進み、再現はできるかもしれない。しかし、惨劇後の世界は物流は止まり、必要な物資を収集できる見込みは薄いとなれば、そのプロトタイプを確保できることが、一番の成果。その機会は永遠に失われてしまった。
以下略



172: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/26(金) 02:46:43.52 ID:WogFjCSk0
ただ、驚くべきことはWWPにはあった。超能力者たちに共通する、自分は人間とは別であるという認識。その特異性ゆえに排他された彼らは、人間を憎んでいる。徒党を組むとすれば超能力者同士でのみと思われていた。それが今回、人間と共闘していたという事だ。

それは更に厄介さを増したという事だ。超能力は程度があれ、脅威に変わりない。だが、人数は少ない。それは勢力維持の観点でかなりの不利を意味していた。だから、WWPも『ある程度』の無視を決め込むことができたのだ。

とはいえ、事ここに至りその判断は早急に切り替えなければいけなくなった。手を結んだ人間が、超能力者の力を発揮できるようサポートするだけで、被害は拡大していく。それこそ、今回のようにだ。
以下略



173: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/05/26(金) 03:08:28.25 ID:WogFjCSk0
詳細を知りたい本部は、指定した救助ポイントへ向かうよう指示し、車両はそこへ向かって走る。あそこまで苛烈に攻撃を仕掛け、なぜ自分達が生き延びられたのかという疑問は、もう少しでこの任務が終わるという気持ちで忘れ去られていく。

先ほどの感情がないように見えた兵士にしても同じことだった。脳裏には仲間の無残な姿が焼き付いている。思い出すたび、身体が震えた。それは他の生き延びた仲間も同じ。忘れ去られていくと言うよりは、忘れたいと言うべきだ。

まだ、今この時も空中から強襲を仕掛けてきた人型が、自分達の隙を狙っている。その想像は恐怖を胃の奥底からこみ上げさせる。惨劇後は死が常に纏わり付いてくるが、それでもこれはその中でも異質だ。
以下略



174:名無しNIPPER[sage]
2017/05/26(金) 09:15:27.72 ID:+4jLdHtM0
乙!
そんなどうしても逃れようのない現象の様な人物が生まれるに至った原因(ゾンビ化物質散布)はWWPが作り出した訳だからな
いつか壊滅させられる時が来るなら、それは因果応報と言う以外に無いね


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