過去ログ - 魔術士オーフェン無謀編・死にたい奴から前に出ろ!
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11:1[saga]
2017/04/15(土) 02:44:28.76 ID:Ip5evVVC0

「……何の真似だ?」

「わたしが思うに、この辺にあぶり出しで『一か月後から利率10倍』とか『営利的ドナー提供に同意します』とか書いてあると思うんだけど」

「あるか馬鹿たれ! テメエ、ちょっと人が優しくしてりゃあ!」

「だって絶対におかしいじゃないこんな――熱っ!」

 叫んでコンスタンスがマッチを摘まんでいた手を振る。どうやら持ち手の方にまで火が下がってきたらしい。

 当然、手から放り出されたマッチの火は契約書に燃え移った。

「きゃあ!」

「おまっ――」

 咄嗟にオーフェンが手を伸ばす――よりも早く、小さく悲鳴を上げたコンスタンスが書類から手を離した。

 めらめらと景気よく燃えるその紙片はひらひらと宙を舞い、テーブルの上に放置されていたマッチ箱に接触、引火。

 そして中に入っていたマッチまでもが一斉に発火し、机上が一瞬で火達磨と化す!

「きゃあきゃあきゃあ!?」

「何やってんだお前はぁぁぁぁ!」

 叫び声を呪文にして、オーフェンは反射的に魔術の構成を解き放った。
 振り下ろされるように発生した衝撃波がテーブル表面を叩き、炎を噴き散らかす。

 乱暴な鎮火方法だったが、常に理想的な対応が取れるわけでもない。
 焦げたテーブルの表面は、あとでカンナでも掛ければいいだろう。最悪、魔術を使えばなんとでもなる。

「小火でも出す気か馬鹿たれっ! いまさらテメエの無能ぶりを矯正しようとは思わんが、それに俺を巻き込むなっ」

 びしりと人差し指を突き付けて、オーフェンは叫ぶが――

 魔術の余波をもろに喰らったらしい。当のコンスタンスは痙攣しながら床に突っ伏していた。
 単に気絶しているのか、間近の衝撃に体が動かないのかまでは判別ができなかったが。


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