過去ログ - 魔術士オーフェン無謀編・死にたい奴から前に出ろ!
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2017/04/15(土) 02:45:29.50 ID:Ip5evVVC0
どの道いつものことではあったので、オーフェンはさほど気にせず視線をテーブルの上に戻した。
衝撃波でマッチの残骸などはほとんど吹き飛んだが、契約書の燃えカスの一部が残っている。
「くそっ、書類作るのだって結構手間が掛かるってのに。
こんの無能警官、本当にろくでもないことしかしやがらねえんだからな……」
「まったくですわ。コギー姉様ったら、オーフェン様をいつも困らせて、本当にしようのない」
唐突に響いた背後からの声にオーフェンが振り向くと、入れ替わりに復活したらしいボニーが立っていた。
姉に対する精一杯の憤りを表そうとしているのか、腰に手を当ててふんぞり返ってなどいる。
だが彼女はすぐに態度を軟化させた。倒れるコンスタンスをボールでも蹴るかのようにして適当にどかすと、
ボニーはにこにこと笑いながらオーフェンの正面に回り込んでくる。
「ささ、オーフェン様。そのよーな税金泥棒は放っておいて、わたしと愛の語らいをいたしましょう」
「いや……だから俺は金貸す相手を探さねえといけねえんだって」
「そのよーな些事、オーフェン様の手を煩わせることもありませんわ」
にこやかな笑みを浮かべて、ボニーがこちらの手を取ってくる。
「わたしが借りて差し上げます。夫の仕事を手伝うのも、妻の役目ですもの」
「それで金を借りるっていうのは、何か違う気がする……」
やんわりと手を外しながら、オーフェンは首をかしげた。
「それはともかくとして、返す金のあてはあんのか?
マギー家から持ち出したっていう資産は確かキースが使っちまった筈だし、ここの給料がそれほど高給とも思えんが」
「オーフェンさんが宿代を払ってくれれば、時給も上げられるんですけどねー」
厨房から飛んできた謎の呪文を渾身の精神制御で脳内から締め出すと、オーフェンは改めてボニーに問うた。
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