過去ログ - 魔術士オーフェン無謀編・死にたい奴から前に出ろ!
1- 20
9:1[saga]
2017/04/15(土) 02:43:13.67 ID:Ip5evVVC0

 さて、とオーフェンは一呼吸いれてから、ぱちぱちと音を立てて金貨を並べて見せた。

「とりあえず、九枚くらいでいいか? 端数が捌けると後の管理が楽だし、バッグだか財布だかの支払いには足りるだろ。
 利子も含めて4か月の分割払いでいいぞ」
以下略



10:1[saga]
2017/04/15(土) 02:44:01.98 ID:Ip5evVVC0

「ね、ねえ、オーフェン……」

 歯の根が合わないらしく、かちかちという音を響かせながら、コンスタンスが恐る恐ると言った感じで口を開く。

以下略



11:1[saga]
2017/04/15(土) 02:44:28.76 ID:Ip5evVVC0

「……何の真似だ?」

「わたしが思うに、この辺にあぶり出しで『一か月後から利率10倍』とか『営利的ドナー提供に同意します』とか書いてあると思うんだけど」

以下略



12:1[saga]
2017/04/15(土) 02:45:29.50 ID:Ip5evVVC0

 どの道いつものことではあったので、オーフェンはさほど気にせず視線をテーブルの上に戻した。

 衝撃波でマッチの残骸などはほとんど吹き飛んだが、契約書の燃えカスの一部が残っている。

以下略



13:1[saga]
2017/04/15(土) 02:45:55.37 ID:Ip5evVVC0

「で、金はあるのか?」

「もちろんです。計画性の欠片もない姉様とは違いますもの。
 わたし、オーフェン様との結婚資金として貯金していますの。もう金貨で10枚ほど貯まりましたわ」
以下略



14:1[saga]
2017/04/15(土) 02:46:23.60 ID:Ip5evVVC0

「しかし、契約書は燃えちまったからな。また書き直さんと」

「その必要はありませんわ。キース!」

以下略



15:1[saga]
2017/04/15(土) 02:47:12.53 ID:Ip5evVVC0

「って、俺が書くのか?」

「ああ、黒魔術士殿。よくお読みください……」

以下略



16:1[saga]
2017/04/15(土) 02:48:31.38 ID:Ip5evVVC0

 宿の扉が閉まり、ボニーの姿が見えなくなると後には静寂だけが残った。
 その静けさの中で、オーフェンは額に手をやりながら独りごちる。

「ったく、油断も隙もあったもんじゃねえ……」
以下略



17:1[saga]
2017/04/15(土) 02:49:01.84 ID:Ip5evVVC0

「共同経営、という形なら如何でしょう?」

「共同経営ぃ?」

以下略



18:1[saga]
2017/04/15(土) 02:50:02.89 ID:Ip5evVVC0
◇◇◇

 人生最大の麻薬とは夢を追うことではないだろうか。

 どのような苦難も、最後に待っている夢の達成を想えば盲目的に受け入れることができる。夢は痛覚を麻痺させ、走り続けるカロリーにすらなった。
以下略



19:1[saga]
2017/04/15(土) 02:51:05.50 ID:Ip5evVVC0

「オーフェェェェン……」

 背後から響いたのは、墓場の下に眠る亡者の口から漏れるような恨みがましい声である。

以下略



20:1[saga]
2017/04/15(土) 02:52:01.96 ID:Ip5evVVC0

「肌着がまだ濡れてて気持ち悪いんだけど」

「そんなもん俺にどうしろってんだ」

以下略



21:1[saga]
2017/04/15(土) 02:52:32.11 ID:Ip5evVVC0

「それより、コギー。いま困ってること、あるよな? 主に金銭関係で」

「そうなの。あのむっつり詐欺師、何かあったらすぐに『減給だ』って!
 いまなんて減給に次ぐ減給で、学生の頃してたアルバイトとどっこいの手取りなのよ。酷いと思わない?」
以下略



22:1[saga]
2017/04/15(土) 02:53:22.77 ID:Ip5evVVC0
◇◇◇

「……で、あんたここで何してたわけ? 夢がどーのこーの言ってたけど」

 と、コンスタンスが言ったのは、殴り合いが始まってから数分後のことだった。
以下略



23:1[saga]
2017/04/15(土) 02:53:52.66 ID:Ip5evVVC0

「あんだよ?」

「あんたの足元、他の場所と比べて新しいと思わない?」

以下略



24:1[saga]
2017/04/15(土) 02:54:29.76 ID:Ip5evVVC0
◇◇◇

 トトカンタには港がある――と言っても、トトカンタ市自体が海に面しているというわけではない。

 海まで続く運河に即して造られた河川港である。規模は大きく、大陸外部を周回する蒸気船が入ってこれるほどだ。
以下略



25:1[saga]
2017/04/15(土) 02:54:56.47 ID:Ip5evVVC0

「そーじゃなくてだな。蒸気船を商いに使える奴なんざ、商売人の中でも一握りだろ。
 この街の連中は、どうやら不幸な行き違いから俺のことをちょっと乱暴な魔術士だと勘違いしてるようで金を借りようとしないからな。
 もう街の外からやってきた、それも信用できそうな奴に貸すしかねえ」

以下略



26:1[saga]
2017/04/15(土) 02:56:11.43 ID:Ip5evVVC0

 青年の反応は劇的だった。

「う、うわあああああああああ!」

以下略



27:1[saga]
2017/04/15(土) 02:57:40.82 ID:Ip5evVVC0
終わり。オチを付けるのが難し過ぎる。
依頼出してきます


28:名無しNIPPER[sage]
2017/04/15(土) 12:51:42.89 ID:8NToNCJDo

オーフェンが金貸しなのすっかり忘れてたぜ……


29:名無しNIPPER[sage]
2017/04/28(金) 14:35:43.20 ID:jbeCBObqO
おつ
キリランシェロ君がこんなんになっちゃうなんてなぁ


29Res/54.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice