過去ログ - 魔術士オーフェン無謀編・死にたい奴から前に出ろ!
1- 20
14:1[saga]
2017/04/15(土) 02:46:23.60 ID:Ip5evVVC0

「しかし、契約書は燃えちまったからな。また書き直さんと」

「その必要はありませんわ。キース!」

 ボニーが天井の辺りに向けて呼びかけると、タキシード姿の男が姿を現した。

 先ほどまでオーフェンが使っていたテーブルの下から、異様なほどスムーズににゅるりと立ち上がってくる。

「お前……ずっとそこにいたのか?」

 半眼でオーフェンが呟くと、タキシードの男――キースは相変わらずののっぺりとした笑顔で答えてきた。

「いえ、丁度良かったものですから」

「何にだ」

「はっはっはっ」

 無闇に白い歯を見せつけるように笑いながら、キースはオーフェンの呟きを無視した。

「キース、例の物をオーフェン様に」

「御意。こちらに」

 そうしてキースが懐から取り出したのは、クリップ付のバインダーである。

 クリップには一枚の紙が挟まれており、高級そうな万年筆が添えられていた。

 どうやらそれは借金の契約書らしい。オーフェンが自身で用意していた物とは、多少書式が違うようだが。

 オーフェンは訝しげな視線を、キースが差し出してくるその書状に遠慮なく注いだ。

「今、用意したのか?」

「無論です」

「……まあ、お前の行動の突飛さに突っ込むほど、付き合いも浅くないけどよ」

「そう言っていただけるとは光栄ですな」

「言っとくが、いい意味ではないからな断じて」

 こめかみのあたりを押さえながら、オーフェンはバインダーを受け取った。だが万年筆を取り上げた時点で、ふと気づく。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
29Res/54.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice