過去ログ - 魔術士オーフェン無謀編・死にたい奴から前に出ろ!
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2017/04/15(土) 02:40:22.57 ID:Ip5evVVC0
◇◇◇
トマトとチーズのリゾットを平らげ、再び片付いたテーブルを前にして。
オーフェンは金貨袋を開き、中身を10枚ずつにして積み上げていった。金貨の山が9つ、あまりが9枚。
あとは先ほどのつり銭として細かい銀貨や銅貨もあったが、それは自分の財布の中に収めておく。
仕事に戻る素振りもなく、物珍しげに覗き込んでくるコンスタンスに対し、
袋の中身がきちんと想定通りであることを確認したオーフェンが声を上げた。
「さて。貸付金として、ここに99枚の金貨があるわけだ」
「結構な額よねー。マンションの頭金くらいにはなるかしら?」
「ふーむ、そんなもんか? で、あとはこいつを貸す人間だが……」
「そういえば借りてくれそうな人の心当たり、あるの?」
「まあ、なくもないが」
そう言うと、オーフェンは口を閉じた。次の言葉を待っているらしいコンスタンスをじっと見つめる。
10秒ほどその状態を維持すると、さすがのコンスタンスもこちらが言わんとしていることに気づいたらしい。
「わたしっ!?」
「おう」
鷹揚に一度、頷く。
対して、コンスタンスは心外だとでもいうように頬を膨らませて見せた。
「あのねぇ、オーフェン。一応わたし、警官なんだけど」
「知ってるぞ。だから持ちかけたわけだし。無能警官とはいえ、公僕には違いないからな。
身元もしっかりしてるし、いざとなりゃ実家に請求できるだろ」
「え、姉さんのところに請求書送るつもり?」
「……まあ、そんなことにはならないと信じてるさ」
明後日の方を見ながら呟くオーフェン。
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