過去ログ - 安部菜々「もういいかい?」
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13: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 00:26:31.58 ID:vBGUfo7C0
「Pくん、そんなにお腹空いてたんですか?やっぱり食べ盛りなんですね」

食器を洗いながら菜々さんが笑う。

「菜々さ、菜々の料理が美味しいからだ」
以下略



14: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 00:27:52.79 ID:vBGUfo7C0
菜々さんは一度深呼吸してから、俺の目を見つめて、言った。

「Pくんはナナの夢が何だか、憶えてますか?」

憶えてはいない。俺は菜々さんの幼馴染としての記憶はないから。
以下略



15: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 00:28:53.05 ID:vBGUfo7C0
くっ、今の俺がプロデューサーだったら今すぐ合格出すというのに。初めてこの世界に文句を言いたくなる。

でも、そうか。いつもオーディションを受けにきてくれる子達は、こうやって大きな挑戦を前にした気持ちで来てくれてるんだな。

今の菜々さんの告白も、きっととても勇気を振り絞って教えてくれたことなのだろう。
以下略



16: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 00:29:30.63 ID:vBGUfo7C0
新たな決意を胸にした俺に、菜々さんは少し小さな声で言った。

「応援、してくれますか?」

「当然だ!」
以下略



17: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 00:40:43.27 ID:vBGUfo7C0
さて、昼ご飯に菜々さんの手料理を食べて安部家を出た俺は、せっかくだから外をぶらついていた。

この状況は、たぶん夢か何かの不思議現象だと結論付けてそれ以上考えるのはやめた。

考えてもわからないからだ。
以下略



18: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 00:41:29.55 ID:vBGUfo7C0
「でも俺、こんな場所まったく来たことないんだよな」

不自然に差し込まれた俺の実家を除けば、一つとして俺の知る建物はない。

はたしてこれは俺の記憶が適当に作った光景なのか、それとも実在するウサミン星の街並みなのか。
以下略



19: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 00:42:35.95 ID:vBGUfo7C0
時々奇行を繰り返しながらも、散歩は夕方まで続いた。

知らない町とはいえ、お店の品ぞろえが軒並み懐かしくてテンション上がってしまったからだ。

特に本屋に並んだアイドル雑誌は、今では伝説と呼ばれるようなアイドルが現役で表紙を飾っていたりとかなり興味深い。
以下略



20: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 00:43:22.95 ID:vBGUfo7C0
などと俺は浮かれていたわけだが、そのせいで、俺は気付いていなかった。

それは今だけの話ではなく、もっと前のこと。

菜々さんがアイドルのオーディションを受けにいくと言っていた時に、俺は気付くべきだったのだ。
以下略



21: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 00:52:28.93 ID:vBGUfo7C0
その日の夜。

久しぶりにお袋の料理を食べた。

実家の風呂に入り、現実では俺が実家を出てから物置になった俺の部屋で横になった。
以下略



22: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 00:53:03.03 ID:vBGUfo7C0
彼女はこれからあと何回、あの涙を流すのだろう。

1回、2回の話ではないはずだ。

1年、2年の話でもない。
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