過去ログ - 安部菜々「もういいかい?」
1- 20
24: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 00:55:18.97 ID:vBGUfo7C0
疑問とともにむくりと起き上がると、目の前にはやはりセーラー服の菜々さんが立っていた。だが、その胸元には花が飾られている。

そして周囲は見知らぬ、昨日見たのとは少し雰囲気の違う高校の教室。プレートには『3−B』とあり、黒板には『卒業おめでとう!』とでかでかと書かれている。

あれ?昨日は2年生だったはず。時間が飛んだ?
以下略



25: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 00:56:28.32 ID:vBGUfo7C0
昨日と同様に、菜々さんに連れられながら帰り道を歩く。

どうやら高校2年生だった昨日から場面が変わって、今日は高校3年生の卒業式になったらしい。

つまり1年以上の月日が流れていたことになる。
以下略



26: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 00:57:52.06 ID:vBGUfo7C0
「えっと、菜々?」

戸惑う俺に何も言わず菜々さんはブランコに座り、ようやく口を開いた。

「結局、高校生のうちにアイドルにはなれませんでした」
以下略



27: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 01:00:57.51 ID:vBGUfo7C0
「アイドルになるのはナナの小さな頃からの夢で、長年抱き続けてきた願いで、だから」

「きっとナナはいつまでも捨てることなく、この夢を持ち続けてしまうでしょう」

知っている。
以下略



28: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 01:01:42.90 ID:vBGUfo7C0
「アイドルになりたくて頑張って頑張って、それでも届かなくて。でも夢の中でナナは言うんです」

「『今さら退けない』って。……それで少し怖くなったんです」

夢を追い続けることが怖くなったんです、と菜々さんは言った。
以下略



29:名無しNIPPER[sage]
2017/05/06(土) 01:02:36.03 ID:fBZplzL50
支援


30: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 01:13:44.81 ID:vBGUfo7C0
俺は知っている。

やがて安部菜々の夢が叶うことを。

いつかは安部菜々が念願のアイドルとなり幸せになれることを。
以下略



31: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 01:14:20.42 ID:vBGUfo7C0
わかっている。

俺は菜々さんのプロデューサーで、今は菜々さんの幼馴染だ。

菜々さんが夢を願う気持ちは知っているし、それが願い続ければ叶うことも知っている。
以下略



32: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 01:15:06.49 ID:vBGUfo7C0
……でも。

それがなんだと言うんだ。

これはゲームじゃなくて、人生の選択だ。
以下略



33:名無しNIPPER[sage]
2017/05/06(土) 01:22:25.45 ID:6vZLbM/l0
なんか菜々さんの人生って自分と被るなーと思ってたけど
誕生日まで一緒だった
期待


34: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/05/06(土) 01:26:15.90 ID:vBGUfo7C0
俺にはもうわからなかった。

プロデューサーとして、幼馴染として、安部菜々の幸福を願う者として。

伝えるべき言葉が、わからない。だから。
以下略



45Res/27.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice