過去ログ - 飛鳥「素直になれないボクとキミ」
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6:名無しNIPPER[sage]
2017/05/17(水) 02:26:51.25 ID:46VTXVAgo
7:名無しNIPPER[sage]
2017/05/17(水) 02:27:28.51 ID:46VTXVAgo
今日も今日とて、大きく深呼吸をしてから事務所の鍵を開ける。
まだ誰もいない事務所ではあるけどもおはようございますと挨拶をしてからデスクへとつく。飛鳥が事務所に来るまであと少しなことを確認すると今日のスケジュールを確かめる。そうしているとガチャリとドアが開く音と共に飛鳥の「おはようございます」の声が事務所へと響く。僕はいつものように「おはよう、飛鳥」と声をかける。「おはよう、プロデューサー。今日も早いんだね」とした声のした後、珈琲の香りが漂ってきた。いつからだったか、このように飛鳥に珈琲を淹れてもらうことが毎朝のルーティーンとなっていた。
8:名無しNIPPER[sage]
2017/05/17(水) 02:28:20.34 ID:46VTXVAgo
9:名無しNIPPER[sage]
2017/05/17(水) 02:29:32.94 ID:46VTXVAgo
僕と飛鳥以外に誰もいなくなった事務所で自分が叩くパソコンの音だけが満ちていく。昼間の賑やかさとは異なり静まりかえった事務所だけれど不思議と居心地は悪くない。事務作業が一段落したところで、コトリと音を立てたデスクに目を向けると白磁器のティーカップ。ふわりと香る心地よい匂いに今日の仕事が終わったのだと認識する。最近知ったのだが、このハーブティーは飛鳥独自のブレンドらしくハーブティーらしさはなく、緑茶っぽいため非常に飲みやすく、またどこか落ち着く味がする。
ゆっくりとハーブティーを味わって飲み干すと飛鳥にティーカップを渡して帰り支度を済ませると、片付けを終えた飛鳥と共に帰路へと着いた。
10:名無しNIPPER[sage]
2017/05/17(水) 02:30:15.26 ID:46VTXVAgo
「プロデューサー」と声をかける。ベッドへと潜ってそこまで経っていないにも関わらず眠そうな声で「どうした、飛鳥」と返事が帰ってくる。
「キミに出会えて良かった」と微睡みに身を任せながら言葉を紡ぐ。想いを、感謝を、不満を。微睡みの中、プロデューサーの暖かさを感じるように抱きしめながら言葉を紡いでいく。素面なら決して言えないような気恥しい言葉も口から流れ出てしまう。こうでもしないと、言えないから。嫌いだなんて心にもないことを言って取り繕っていた鎧を脱ぎ捨てるように。
11:名無しNIPPER[sage]
2017/05/17(水) 02:31:40.54 ID:46VTXVAgo
「プロデューサー」と声をかけられる。疲れから今にも眠りにつきそうだったけれど、飛鳥のその真剣な声に目が冴える。「どうした、飛鳥」と声をかけると飛鳥から抱きしめられた。
「キミに出会えて良かった」と飛鳥が呟く。思いがけない言葉に何も言えなくなる。飛鳥の口から感謝が、不満が、想いが吐露される。しがみつくように抱きついてくる飛鳥を抱きしめかえす。飛鳥の言葉を聞く毎に涙が溢れ、今まで偽っていた心が剥がれていく。誰よりも一生懸命な飛鳥のことを見てきたから言えなかった言葉の数々が漏れ出てしまう。
12:名無しNIPPER[sage]
2017/05/17(水) 02:32:13.65 ID:46VTXVAgo
13:名無しNIPPER[sage]
2017/05/17(水) 02:33:13.53 ID:46VTXVAgo
僕は二宮飛鳥が好きだ。大好きだ。
キツいであろうレッスンの後にわざわざ居残って自主レッスンに励むところも、身体を休めることもレッスンの内だと指摘したら、不敵に笑いながら「ふっ、ボクなら大丈夫さ。それくらい、ボクが愛するキミなら分かるだろう?」と否定するのも、自分のことだけではなく他のアイドルに親身になっているところも、残業する僕に付き合って事務所に残り、寝落ちしてしまうところも……本当はやめてほしいけれど。
14:名無しNIPPER[sage]
2017/05/17(水) 02:34:07.33 ID:46VTXVAgo
以上です。
読んでくださりありがとうございました。
15:名無しNIPPER[sage]
2017/05/18(木) 22:43:11.37 ID:sGn25Z4r0
おつおつ
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