845:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:48:59.22 ID:oAV4+yJj0
頬を刺す冷えた夜風に、お互いぶるぶると身震いする。
どちらともなく近付いて、アスファルトに座り込む。彼女の体温を、息遣いを、すぐ近くに感じる。
本当は少しだけ描いていた。描こうとしていた。
846:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:50:05.48 ID:oAV4+yJj0
などと考えていると、はい、とガムを手渡される。
受け取ってから彼女を見ると、薄紫色の風船をぷくーっと膨らませていた。
それを真似するように、ベリー味のガムを口に含む。
847:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:51:00.94 ID:oAV4+yJj0
「やり直しが効かないところだと思います」
小さいころは、紙とペンさえあればそれでよかった。
単に近くにあったから。それだけの理由だけど、そのままでいられたらどれだけ良かったのだろうと思ってしまう。
848:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:51:40.22 ID:oAV4+yJj0
「んじゃさ、好きな画家は?」
「いろいろいます」
849:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:52:28.27 ID:oAV4+yJj0
誇れるのは雪国育ちの色白くらい。
……だと思っていたのに、未来くんは私より白い気がする。なぜか悔しい。
「拗ねないでよ」
850:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:53:10.80 ID:oAV4+yJj0
「シノちゃんはここに来てさ、どこか観光地とか行った?」
「いえ」
851:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:53:57.36 ID:oAV4+yJj0
「そんなに行きたいんですか?」
「うん」
852:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:54:51.59 ID:oAV4+yJj0
「明日……いえ今日までは、編集作業のお手伝いをさせてください。
どっちつかずは、どうしても避けたいですし、私もこの部の力になりたいです。
お茶汲みでも、文章の校正でも、ゴミ捨てでも、なんでもやります」
853:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:55:24.46 ID:oAV4+yJj0
「私の趣味で、かわいい女の子描いたら? って適当に言ってみたんだけどさ、だいぶ頑なにロリっ娘を描き続けてる」
「執念ですかね」
854:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 18:56:09.23 ID:oAV4+yJj0
「私は白石くんとそらそらくんを厳しくして、シノちゃんが私を厳しくすれば、なんかいける気がする!」
「……あの、」
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