過去ログ - 追われてます!
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939:名無しNIPPER[saga]
2018/01/10(水) 14:13:02.08 ID:LnmL9/o10

「でも、それは、きっと嫉妬とかも」

 彼女の包み込むように柔らかな声音は、纏う雰囲気は、私の心を落ち着かせる。
 他の人だったら、とっくに泣き出してしまっていた。彼女は何も言わないけれど、私の声はすでに震えていた。
以下略



940:名無しNIPPER[saga]
2018/01/10(水) 14:13:48.83 ID:LnmL9/o10

 言い終えて部長さんを見ると、彼女は私の触れていない方の拳をきゅっと胸元で握りしめて、何かを言いたげに瞑目していた。

「……たいしたこと、ないですよね」

以下略



941:名無しNIPPER[saga]
2018/01/10(水) 14:15:16.32 ID:LnmL9/o10

「私さ、シノちゃんのこと好きだよ」

「……」

以下略



942:名無しNIPPER[saga]
2018/01/10(水) 14:16:11.94 ID:LnmL9/o10

「きっとさ、シノちゃんが絵を描き続けてきたことだけは、仕方のないことじゃないと思う」

 それは、初めに私が言った言葉。
 退屈を紛らわすための代替可能なものだと嘯いてしまった。
以下略



943:名無しNIPPER[saga]
2018/01/10(水) 14:16:54.68 ID:LnmL9/o10

「描きたいって気持ちさえあれば、どんなものだって描ける」

 先の夜に部長さんから告げられた言葉を、そのまま復唱した。

以下略



944:名無しNIPPER[saga]
2018/01/10(水) 14:17:23.12 ID:LnmL9/o10

 訊ね返すやいなや、小さな吐息が耳をかすめる。
 ぐっと身体全体にかかる力が強くなる。私だけでなく、多分彼女も緊張している。

「私のために、絵を描いてほしい。
以下略



945:名無しNIPPER[saga]
2018/01/10(水) 14:18:11.27 ID:LnmL9/o10

「シノちゃんは自分の名前が嫌いって言ってたよね」

「はい」

以下略



946:名無しNIPPER[saga]
2018/01/10(水) 14:19:00.75 ID:LnmL9/o10

「こより先輩」と私は覚えてる限りで初めて彼女の名前を呼んだ。

「……ん」

以下略



947:名無しNIPPER[saga]
2018/01/10(水) 14:19:53.59 ID:LnmL9/o10

【SS-\/Gypsophila】

「この感情に意味なんてない」

以下略



948:名無しNIPPER[saga]
2018/01/10(水) 14:20:30.39 ID:LnmL9/o10

 学校では、ピリピリした空気が流れているように感じました。
 それまでは、平気だったのに……きっと、埋めてくれるものは、何もないとわかっていたから。

 クリスマスの日に、私は縋るような想いで、彼女と出会った場所に向かいました。
以下略



949: ◆9Vso2A/y6Q[saga]
2018/01/10(水) 14:22:25.99 ID:LnmL9/o10
今回の投下は以上です。


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