8: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2017/09/28(木) 00:05:22.64 ID:Hn8UeK6k0
父は、私が片親である事を私以上に気に掛け、何不自由無く育ててくれた。
本当に、何不自由無く。
身の周りの全てに介入し、過保護という言葉では足りぬ程、甲斐甲斐しく私を育てた。
私の気持ちを不思議な程に汲み、理解し、把握した。
何時しか私に出来るのは首を縦か横に振る事だけになっていた。
9: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2017/09/28(木) 00:07:56.32 ID:Hn8UeK6k0
反発も覚悟していたが、父は何も言わず私の言い分に従った。
私の気持ちを汲み、理解し、把握したという事なのだろう。
逆に父の心配もしないではなかったが、毎月の仕送りが途切れぬ所を見るに無事なのだと思う。
小娘一人が生活するには過剰なまでの金額で、貯まる一方だ。
いつかこの金で孝行をしてやろうと思っている。
10: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2017/09/28(木) 00:09:16.09 ID:Hn8UeK6k0
もっと、主張する必要はあるかも知れない。
私の好みは渋くなんかないよ、普通だよ、と。
友人達の豊かすぎる感情表現に埋もれないように。
そんな友人達は、何やら喧々諤々と話し合っている。
11: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2017/09/28(木) 00:11:11.22 ID:Hn8UeK6k0
如何すれば良いか分からない状況。
ここで私も同じ事を言えば、満場一致で如何すれば良いか分からなくなってしまう。
それは酷く、厭だ。
という事は、私が主張をする絶好の機会なのかも知れない。
12: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2017/09/28(木) 00:13:16.74 ID:Hn8UeK6k0
蝶が飛んでいた。
曲がりなりにも戦場の只中で暢気なものである。
しかしそれが活路に繋がった。
蝶の飛ぶ先に、嗚呼。
13: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2017/09/28(木) 00:15:14.74 ID:Hn8UeK6k0
おまけ
【ノンナ編】
カチューシャの好物はボルシチです。
14: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2017/09/28(木) 00:17:08.38 ID:Hn8UeK6k0
そもそもボルシチとは、ビーツという野菜を主な材料とした煮込み料理。
地域や家庭によって他の材料に違いはありますが、ビーツだけは変わりません。
ビーツを煮込むことによって、ボルシチの赤いスープが出来上がります。
ですが日本ではビーツがなかなか手に入らないので、主に赤蕪で代用します。
混同されがちですが、ビーツと赤蕪は別物。
15: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2017/09/28(木) 00:19:15.35 ID:Hn8UeK6k0
カチューシャが食べている料理のスープは、トマトで赤く色付けしています。
味付けは、カチューシャの舌に合うように味醂、醤油、砂糖などで調えています。
具も、カチューシャの嫌いな野菜は入っておらず、ジャガイモ、蒟蒻、牛肉などを使っています。
早い話が肉じゃがです。
16: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2017/09/28(木) 00:21:15.57 ID:Hn8UeK6k0
カチューシャはボルシチを食べたことがありません。
ビーツや赤蕪の入った、本当の意味でのボルシチは、カチューシャは食べた事がありません。
しかし今、カチューシャはボルシチを食べています。
私の作ったボルシチという名の肉じゃがを食べています。
17: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2017/09/28(木) 00:22:41.94 ID:Hn8UeK6k0
以上です
お付き合いありがとうございました
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