過去ログ - 武内P「結婚するなら、ですか」
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40:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/16(金) 00:19:02.67 ID:g+ryXGAuo
  ・  ・  ・

「……」


 彼に促されるまま、私はプロジェクトルームのソファーに座っていた。
 何か飲み物をと言われたが、それはさすがに遠慮。
 だって、元々此処に来るつもりは無かったし、本当に目的が無い。
 それに、彼もお仕事中だし、邪魔するのは悪いもの。
 ……もう、お邪魔をしてしまっているけど。


「高垣さん。何か、ありましたか?」


 彼は、自分のデスクに座ることなく、私の正面のソファーに腰掛けていた。
 そんな位置に座られたら、嫌でも目を合わせなきゃいけないじゃない。
 そうしなきゃ、とても不自然な感じになってしまうから。


「どうして、そう思うんですか?」


 私は、元々あまり表情が豊かな方ではない。
 感情もあまり表に出す方では無かったし、
そういう意味では私と彼は似ている部分もあるのだろう。


 だけど、私はアイドル、高垣楓。
 笑顔をするのは、お仕事の内。



「笑顔です」



 なのに、この人はそんな私の笑顔に、平気で踏み込んできた。
 上手に出来ていたと思ったのに……。
 何故? どうして、私の笑顔を見て、何かあったと思うんですか?


「……」


 なんて、そんな事はわかっている。
 この人はプロデューサー……アイドルを見るのが、お仕事。
 わかっているけれど、悔しい。
 そんな事はないのに、まるで、私の仕事に不備があると責めている様に感じてしまうから。


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