過去ログ - 武内P「結婚するなら、ですか」
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995:名無しNIPPER[sage saga]
2018/03/20(火) 21:31:55.84 ID:t0wqhM/bo

「あ……あっ、あの……!?」


 さっきまで、デスクに座っていたと思ったのに、いつの間に……!?
 ワタワタと慌てる様子を見て、プロデューサーさんも、しまった、という顔をしています。
 この人は、自分の顔が、物語に登場する怪物のように思っているらしいのです。
 見ただけで、相手が怖がってしまう顔だ、と。


「あっ――」


 私が驚いた理由は、そうではないのに。
 それを弁明する暇もなく、慌てたせいか、持っていたペットボトルから手が離れてしまいました。


 絶対に、これを落としてはいけない。


 ……何故か、そんな想いが、私の思考を埋め尽くしました。


「――っ!」


 前までの私だったら、全く動くことなく、それを落としてしまっていたと思います。
 けれど、アイドルとしてのレッスンの成果でしょうか。
 両の手は、私自身でも驚く程の速さで、包み込みました。


「……あ」


 空中でペットボトルを掴んだ、彼の右手を。
 大きく、ゴツゴツとした……とても、温かい手。
 その手から伝わってくる熱が、手を、腕を、体を駆け巡っていくようです。
 ……自分で言うのも恥ずかしいのですが、なんて、熱を伝えやすい体なのでしょう。


「……」


 首を伝って、顔までも、熱くなってしまいました。


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