過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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384:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 00:38:03.07 ID:Ae62FiCR0
行動に対する責任を負うという覚悟が、アタシには足りていなかったのだと、気づいたのはその後だった。
想定外の事態を受け、混迷を極める上層部を尻目に、アタシ達は爆発的な人気を集め、サイコーに楽しい状態。
385:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 00:45:19.66 ID:Ae62FiCR0
こういう時に大事なのは、視点を変えること。
アタシをLIPPSの一員として存続させるケースを念頭に置くから無理が生じてくる。
では、アタシはLIPPSではないとしたら?
386:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 00:46:53.66 ID:Ae62FiCR0
――まーいっか! にゃっはっはー!
正しいかどうかはともかく、現状ではそこそこベストに近い手段ではあったはずだろうし。
アタシはいつも通り失踪し、彼女達は面目を保ってこれからも活躍し続けられる。
387:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 00:50:05.76 ID:Ae62FiCR0
「ん、アタシですか?」
「そうそうあのネ。ちょっと道が分からなくテネー困ってたのヨ。息子のウチを探していテネー」
話し方がゆっくりで、何やら不思議なイントネーションのおばあちゃんだ。
388:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 00:51:56.09 ID:Ae62FiCR0
まぁ、それならしょうがない。電車の駅まで連れてったげよう。
「アラ〜、いいのカイ? ありがとうネェ、おじょうチャン。東京にも良い人いるノネェ」
「アタシもぶっちゃけ東京に来てまだ日は浅いけどねー♪」
389:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 00:53:55.65 ID:Ae62FiCR0
「ところで、はて、おじょうチャンは、女子高生カイ? その歳で留学だなんて偉いワネェ」
ペースを合わせてゆっくり歩いていると、ふとおばあちゃんがアタシの服装を見て言った。
偉い?
390:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 00:55:22.98 ID:Ae62FiCR0
「――そっか」
当たり前のように言われると、改めて自分は他の人と違うのかと思い知らされる。
家族の絆さえ、アタシは育んで来られなかったことを。
391:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 00:57:01.91 ID:Ae62FiCR0
おばあちゃんは、自分のコーヒーにミルクを三杯入れた。砂糖は入れなかった。
「変わった飲み方だねー」
「アナタこそ、タバスコいつも持ち歩いてるノ?」
「にゃはは、まぁねー♪」
392:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 00:58:53.39 ID:Ae62FiCR0
「そう」
おばあちゃんは、否定も肯定もしなかった。黙って、アタシの次の言葉を待っているようだった。
「アタシは――」
393:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 01:01:17.19 ID:Ae62FiCR0
頬杖をつき、窓の外を眺める。
アタシと同い年くらいの女の子三人グループが、キャッキャと笑いおどけながら歩道を歩いて行くのが見える。
「ラクだけど、つまんなかった。
394:名無しNIPPER[saga]
2017/12/19(火) 01:03:54.77 ID:Ae62FiCR0
外に向けていた顔をふと正面に直すと、そこにはやっぱり笑顔があった。
何でこんな――。
「何があったかは知らないケレド、そのミカちゃんって子と志希ちゃんはお友達だと思うワ」
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