過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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522:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:53:22.78 ID:m6szqZZ10
「――ふーーん?」
「重たい話ですねー」
「そうですね――服部さんの事は、本当に残念でした」
523:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:54:09.14 ID:m6szqZZ10
「んー、あたしはプロデューサーさんの言うことも正直、分からなくもないっちゃーないんだけどね」
「奏ちゃんや美嘉ちゃんなんかは、今の話聞いたら怒るやろなー」
524:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:57:06.38 ID:m6szqZZ10
(◇)
ソファーの陰からひょっこり姿を現したあたしに、プロデューサーさんは目を丸くしてる。
あたし、ずーっと寝そべって聞いてたのに、全然気づかないんだもん。
525:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 20:59:11.31 ID:m6szqZZ10
「とにかく、今タクシー呼ぶから、早く帰りなさい」
そう言って、プロデューサーさんが受話器に手を伸ばすのを、チーフさんが制した。
「良い機会だと思いますし、彼女達と一度、向き合ってみてはいかがでしょう?
周子ちゃんも、たぶん今の話を聞いて思う所もあるでしょうし、あなたも彼女が相手なら、比較的話しやすいのでは?」
526:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 21:01:16.35 ID:m6szqZZ10
「んーん、ちゃんと仕事してきたよ? 美嘉ちゃんの代打でね」
「代打?」
「オーディション、あたしが代わりに受けてきたんよ。
美嘉ちゃんを志希ちゃんのトコへ行かせる代わりにね」
527:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 21:03:01.82 ID:m6szqZZ10
プロデュ−サーさんは、缶ビールをもう一度煽って、それをデスクに置くと、頬杖をついた。
「塩見さんは――」
そう言いかけて、プロデューサーさんは止まり、かぶりを振った。
528:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 21:06:23.97 ID:m6szqZZ10
「あたし達のせい?」
別に、無理に続けてほしいワケじゃない。ただ――納得したかった。
「言っただろ。君達のせいで降りる訳じゃないよ」
529:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 21:09:50.22 ID:m6szqZZ10
「――もう君達が嫌いだ、顔も見たくない、だから辞める――と言えば納得するのか?」
「そーいう事じゃないってあーもー、ほんっと分かっとらんな」
握り拳で膝をトントンと叩く。こんのオッサンときたら――。
530:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 21:12:46.09 ID:m6szqZZ10
「まぁ、悪いようにはせんて。で、話を戻すけど――」
「さっき話した通りだよ。俺は君達に、アイドルを辞めてほしいんだ。夢破れて苦しむ前にな」
プロデューサーさんは、席を立ち、給湯器の方へ歩き出した。
531:名無しNIPPER[saga]
2017/12/20(水) 21:15:12.92 ID:m6szqZZ10
「プロデューサーさんが思ってるほど、あたし達、そこまでヤワじゃないしさ」
二口目を啜ろうとした手を止めて、プロデューサーさんはあたしの顔を見る。
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