過去ログ - LiPPS「MEGALOUNIT」
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67:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:28:05.17 ID:sXivYPE/0
「ぶっちゃけ俺もそう思うけどね」
「ぷ、プロデューサー!?」
そういう気の抜いた事、言って良いの?
68:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:36:05.84 ID:sXivYPE/0
私の目の前で、ガチャンッ、と落とされた携帯。
ショートボブのブロンドに負けず劣らぬ、ギョロリと一際主張する碧眼。
およそ日本人離れした顔立ちの下は、白とベージュのニットセーターと、片手に下げたのは蛍光ピンクのハンドバック。
69:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:38:24.40 ID:sXivYPE/0
「アタシあまりケータイって苦手でさー? 友達からも未だにガラケー使ってんの、チョーバカにされちゃうの☆
アハハ、面白い? アタシは面白いなー、だってねー見てよ、もうハゲ過ぎて元の色わかんないし♪」
朝、仕事や通学のため激しく行き交う駅のコンコースのど真ん中で、曰く“命の恩人”たる私に、彼女はまるで発情期を迎えたハチドリのようにまくし立てた。
70:名無しNIPPER[sage]
2017/12/16(土) 12:38:54.26 ID:09H6DQz30
リップスとかいうトランプのジョーカー5枚集めたみたいなユニット
71:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:40:54.58 ID:sXivYPE/0
そういう時に限って、再会は思いのほか早く訪れるものね。
「あ、また会ったー! 今朝はケータイありがとー、鼻水大丈夫? ちゃんとお鼻チンした?」
72:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:42:42.15 ID:sXivYPE/0
「カナデちゃん歌すっごい上手ー! アレだっけ、毎朝腹筋してるんだっけ。ちょっとショウミーしるぶぷれー?」
「ちょ、な、何を――!」
「ワァォ、ぷにぷにー☆ 天使の耳たぶだねー、バナナで釘が打てるレベルだよー! 皆も触ろ触ろー♪」
73:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:44:06.02 ID:sXivYPE/0
「シューコちゃんシューコちゃん」
「なーに、フレちゃん?」
「呼んでみただけー♪」
74:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:45:26.64 ID:sXivYPE/0
フレデリカと付き合う中で、地味に困ったのが連絡手段。
彼女は携帯に頓着が無かった。
スマホユーザーでは無いどころか、唯一持っているガラケーをすぐに紛失するのだ。
75:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:47:48.49 ID:sXivYPE/0
「――よしっと、初期設定はこんなカンジかな★ 使い方は、フレちゃんならそのうちに慣れてくると思うよ」
「わぁい、やったーミカちゃん! あれ、ボタン無くない?」
不思議そうに手の中にあるスマホを眺める。
本当に初めてなのね。
76:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:52:44.06 ID:sXivYPE/0
迷惑そうに手を振るプロデューサーの元を離れ、思いついたかのようにロビーの中央へと走る。
そして彼女は天井を見上げ、スゥーッと深呼吸を始めた。
77:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:54:50.39 ID:sXivYPE/0
「まぁ――初めまして、宮本さん。一ノ瀬、志希です」
「一ノ瀬さん――とても、素敵な名前ですね」
「ありがとうございます。そういう、宮本さんも」
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