過去ログ - アラサーニートエリちとキャリアウーマン亜里沙
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914:名無しNIPPER
2018/11/05(月) 15:12:24.73 ID:GQesSRIl0
「人間には良い面も悪い面もあるけれど――
 こと、エリチカに限っては悪い面しか見当たらんなぁ……
 本当に人間であるのか怪しいくらい、邪悪な気が漂ってる。
 お互い様という言葉があるけれど、彼女に限っては――
 ほんと、迷惑しかかけられなかったんなあ……」

 親友である東條希の言葉が耳に入る。
 たとえ晴れ渡るような青空を見上げたとしても、冷たい雨が降りしきるのを見るかのような。
 どんなに美しい景色を見てもくだらないと感じてしまうような、心根の卑しさが、
 私自身の感情の中に次々と浮かび上がってくる。
 愛おしいという気持ちが、好意的な気持ちが、次から次へと憎悪に変わっていくのを感じ、 
 目の前が赤く燃え盛っているかのように、怒気が目の前に壁となって現れているみたいに、
 かつて友人だった人たちを、心の底から――

「違う! 私の仲間は! そんな事は言わない!」

 心の中の靄々を断ち切るように、私は高熱で言葉を発するのも苦しいみたいな感じなのに。
 耳に届いた自分の声は恐ろしいほどクリアで、前向きだった。
 私自身の言葉に感化されるように、どんどんと悪い感情が吹き飛ばされていき、
 涙で曇っていた景色が、徐々に鮮明に映っていく。


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