1: ◆0B.2KBz0Ik[saga]
2016/05/15(日) 21:16:15.96 ID:3fgq+U0U0
倫理的によろしくない表現が多いのでこちらに来ました。
エロ要素少なめの平凡な作品ですがよろしくお願いします。
また、自殺幇助のような記述がありますが、創作上の表現であり、自殺を推奨するつもりはございません。
2: ◆0B.2KBz0Ik[saga]
2016/05/15(日) 21:21:29.60 ID:3fgq+U0U0
所長「いらっしゃーい、自殺事務所へようこそ」
ある春の日の午後、麗らかな太陽の光を事務所のガラス越しに受けながら、木製の立派な机と革張りの安楽椅子に腰掛けた男は、
胡散臭そうな笑顔を浮かべながら目の前の来客用ソファに腰掛けようとする青年に両手を広げながら歓迎の意を示した。
3: ◆0B.2KBz0Ik[saga]
2016/05/15(日) 21:25:38.54 ID:3fgq+U0U0
所長「──で、どんな風に死にたいの?」
所長は机の引き出しからカードを取り出すと軽くシャッフルし、Aの見えるように手の中で広げた。
所長「首吊り飛び降り薬漬け電車に突っ込むなあんでもあるよぉ?」
4: ◆0B.2KBz0Ik[saga]
2016/05/15(日) 21:33:07.02 ID:3fgq+U0U0
依頼人A「…………」
所長「……ごめんね、気を悪くした?」
依頼人A「俺Mじゃないです」
5: ◆0B.2KBz0Ik[saga]
2016/05/15(日) 21:35:50.45 ID:3fgq+U0U0
所長「死ぬ理由もあれでしょ?そのアイドルが死んだから後追いってわけか」
依頼人A「悪いですか」
所長「悪かないよ?ただ、マニアはスゴイなあって思ってさ」
6: ◆0B.2KBz0Ik[saga]
2016/05/15(日) 21:36:42.79 ID:3fgq+U0U0
所長「ちょーっとまってねえ。あー……」
依頼人A「待てません。俺は一刻も早く死にたいんです。アイドルちゃんが待ってる」
所長「そんなに急かさないのー。急かしすぎると早漏だって笑われるヨォ?」
7: ◆0B.2KBz0Ik[saga]
2016/05/15(日) 21:39:49.45 ID:3fgq+U0U0
所長は暫くウンウンと唸っていたが、天井を向いていた顔を元に戻すと、Aに向き合った。
所長「んーやっぱりさあ、睡眠薬はお勧めしたくないんだよなあ」
依頼人A「どうしてですか」
8: ◆0B.2KBz0Ik[saga]
2016/05/15(日) 21:41:09.69 ID:3fgq+U0U0
所長「それでもいいの?」
「はい」 Aは力強く頷いた。
所長「強いねえ。僕なら死ぬの止めてるわ」
9: ◆0B.2KBz0Ik[saga]
2016/05/15(日) 21:47:07.11 ID:3fgq+U0U0
所長は立ち上がると、事務所の壁に沿うように備え付けられた本棚に向かい、一冊の本を取り出し開いた。
所長「えっと……筆記用具なんかある?」
依頼人A「あ、はい」
10: ◆0B.2KBz0Ik[saga]
2016/05/15(日) 21:49:05.88 ID:3fgq+U0U0
所長「だけどこれさーあ、致死量以上のんでも死ねない場合もあるのよねえ。死ねなかったら、きっつーい胃洗浄と、一生人工透析のお世話になっちゃうけどそれでもいーの?」
依頼人A「別にどうってことはないです。要は、ちゃんと死ねばいいんでしょう?」
所長「そうだけどっさあ……まあいいや。来世良い人生を」
11: ◆0B.2KBz0Ik[saga]
2016/05/15(日) 21:52:15.87 ID:3fgq+U0U0
秘書「所長、あの人お金払ってませんが」
フロアーを衝立で仕切った奥のスペースから、長い髪をポニーテールに結った女が出てきた。手にはバインダーを持っている。
所長「やっけに興奮してたからねえー。ちょいちょいこんな人いるから僕困っちゃう。このままじゃ生活できないっ!」
12: ◆0B.2KBz0Ik[saga]
2016/05/15(日) 21:54:22.95 ID:3fgq+U0U0
秘書「……あの人、死ねるんですかね」
所長「そうだなあ、僕の見立てなら確実に死ぬね。アイドルの後追いする自分に酔っているようだったし。……死んでアイドルと一緒になれるわけないのにねえ。ああ怖い怖い」
秘書「全然怖がっているように見えませんけど」
13: ◆0B.2KBz0Ik[sage]
2016/05/15(日) 21:55:18.06 ID:3fgq+U0U0
×強い
○怖い
14: ◆0B.2KBz0Ik[saga]
2016/05/15(日) 21:55:54.36 ID:3fgq+U0U0
所長「秘書ちゃん、この後は誰が来る?」
秘書「今日は……もう無いですね」
所長「あっ、そーなの!ならもう閉めちゃおう!僕なんかめんどくさくなっちゃった!秘書ちゃんとデートしたい気分!」
15:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]
2016/05/15(日) 22:46:26.86 ID:otQIsGcpo
乙
16:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]
2016/05/16(月) 00:05:21.24 ID:idMXvsAco
ふむ
17:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]
2016/05/20(金) 11:02:07.51 ID:d9yYTWBCO
おつ
18: ◆0B.2KBz0Ik[saga]
2016/06/03(金) 22:09:55.32 ID:iJkJAvcg0
依頼人B「さぁあああよぉおおおおおうなるぅらぁああああああああ!!!」
グシャ!
秘書「……どうされるんです?」
19: ◆0B.2KBz0Ik[saga]
2016/06/03(金) 22:10:23.04 ID:iJkJAvcg0
依頼人C「こんにちは」
所長「はーいこんにちは」
依頼人C「死にたいです」
20: ◆0B.2KBz0Ik[saga]
2016/06/03(金) 22:11:07.73 ID:iJkJAvcg0
所長「でもさあー、汚いよ?」
依頼人C「知ってます」
所長「知ってんのに首吊り希望なの?え?何?特殊性癖?」
21: ◆0B.2KBz0Ik[saga]
2016/06/03(金) 22:12:04.16 ID:iJkJAvcg0
依頼人C「首吊りって楽じゃないですか。人に迷惑をかけないし、手軽。死刑の方法に適応される程確実だし、何よりお金がかからない」
所長「確かにねー。お金かからないし手軽に出来るから首吊りって便利だ。でもさあ、確実に死ねるわけではないんだわ」
所長「君、完全自殺マニュアルとか読んだクチじゃない?」
247Res/108.12 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20