19: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/07/27(水) 13:08:51.35 ID:Li1QhE+X0
日差しは落ち着いていた。
一度は断ったのに、ナツが日傘を差してくれた。
「なんだか、お嬢様になったみたい」
「実際、メイドのようなものですから」
「そんな」
お姉ちゃんでしょ、と言いかけ相手はそう思ってないのだと言葉を飲み込んだ。
掴みにくい距離感。親しくなれない、なりたくないけど、ならずにいたらそれはそれで大変だと思う。
昨日の話は実際に確認できることじゃないから、嘘か本当か分からない。
グレーゾーン。
グレーゾーンなら悩んでいても仕方ない。
家から10分くらいの所に、一つ下の女の子が住んでいるこれまた古い木造建築の家がある。
いや、住んでいたというのが正しいのかも。
家の前を通り過ぎる時、玄関が開いて奥が見えた。
何度も入ったことがある。
暗がりに誰か動いたのが分かった。
中にいた、おばさんと目が合った。
それで、やっぱりあの子はいるんじゃないかと思って、笑いかけてしまった。
瞬間、おばさんがどたどたとこちらに走ってきた。
暗闇から陽の下へ一気に飛び出した獣のようだとさえ思った。
そして、私の身体を掴んで思いっきり左右に揺さぶった。
「ふっー!! ふっー!!」
見たことのないくらい恐ろしい形相で、歯をむき出して、鼻息を吹きかけられた。
「お、おばさんっ!?」
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