彼女達との思い出
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434:テスト ◆71vVbFpf.c[saga]
2017/01/25(水) 20:03:49.01 ID:83hCJrvX0

翌日。月曜日。涼子からメールがあった。
涼子「ハムちゃん、どうなりましたか。」

僕は経過を報告した。
涼子「それでしたら、私が一時的に預かりましょうか。職場の近くですから。22時くらいまででしたら藤原さんの家に届けます。」

僕は素直に甘えることにした。


夜。獣医さんに電話。

獣医「腸を入れ直して、お尻の穴を閉じて、今日抜糸したんですが、腸は出てこなかったです。いける可能性が少しだけあります。」
僕「本当ですか。」
獣医「これから、少しずつ栄養剤と虫下しを与えてください。食事は基本的にペレットで大丈夫です。お湯で柔らかくしたりしてあげてください。もし食べなくても、栄養剤と虫下しだけは毎日飲ませてあげてください。」
僕「はい。わかりました。」
獣医「ウンチが出たら、消化できてる証拠です。助かると思います。出なかったら、もうダメです。1週間で亡くなると思います。この1週間が勝負です。」

僕「明日、知人が引き取りに伺います。よろしくお願いします。」
獣医「そうでしたか。わかりました。」


翌日、仕事を終え、自宅で涼子を待つ。
自宅近くで引き渡してもらおうと思っていたが、薬のあげ方や治療費の立て替え清算などもあったので自宅にした。

僕「深夜にすみません。ありがとう。」
涼子「いえ。では、獣医さんに教えてもらった、薬のあげ方です。」

涼子はおもむろにハムを捕まえると、つかまえたままひっくり返し、あおむけ上にさせた。
そのまま、スポイトで薬を口元に突っ込み、器用に数滴分を口に入れた。ハムは舌をペロペロさせ、その薬をイヤがりながらも飲んだ。

涼子「こんな感じです。毎日お願いします。」
僕「鮮やか。」
涼子「いえ。」

清算も済ませ、涼子は帰って行った。

僕は敢えて言わなかった。

涼子の手、絆創膏が貼ってあった。
あれはきっと、ハムに噛まれた痕があったんだと思う。

涼子は、噛まれても怯むことなく、ハムに薬をあげる方法を僕に教えるために、練習したんだろう。


僕はこの日から、ハムとの闘病生活をスタートさせた。

ハムに朝から投薬。
スポイトで口に薬を流し込む。これがかなり大変だ。
涼子は簡単にやり遂げているように見えたが、まず捕まえるのに苦労する。ハムも何をされるのかわかるのだろうか、落ち着きなく隅の方へ逃げるのだ。
ハムは必死に抵抗する。噛まれることもある。

捕まえたら、ひっくり返して口にスポイトを入れる。ハムは死ぬほど抵抗する。
その小さな手で、スポイトを押し返してくるのだ。

こんな小さな命が、懸命に僕を拒絶する。
僕は、ハムにおびえられながら、投薬する。

ごめん。ごめんね。僕が悪いんだ。
せめて、看病だけは、させてくれ。

そんな毎日が3週間続いた。
そう、獣医さんからもらった3週間分の薬を使い切るまでの間、ハムは生き延びた。

僕は3週間、仕事とハムの看病に明け暮れた。
特に誰とも会おうとは思わなかった。




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