79:テスト ◆71vVbFpf.c[saga]
2016/12/07(水) 01:40:47.67 ID:gXmY7ffH0
翌日は、観光して回った。
費用は、僕が出した。
夕ご飯は、レストランで済ませた。
そのレストランで、事件は起きた。
僕「優子、提案があるんだけれど。」
優子「何?」
僕「今までは、僕が社会人であったし、優子は学生だったわけじゃない?」
優子「そうだね。今までは学生って立場だったから、甘えまくってた」
僕「そうなんだよね。これからは、対等な立場になる。」
優子「うん。」
僕「実は・・僕は今、あまり貯金がないんだ。遠距離恋愛の費用は僕が全部出していたし、この場所に引っ越ししたり、会社の付き合いもゼロじゃないし。」
優子「つまり?」
僕「言いにくいんだけど・・これから二人で会ったり、何かした時は、一部だけでも負担してもらえないだろうか?」
今思えば情けない提案だけれど、当時の僕は切実だった。
これから結婚などを視野に入れれば、貯蓄は必要だ。今のままでは、全く貯蓄ができない。
優子「ええ・・イヤよ。今まで払ってくれたのに、急に負担しろって言われても・・」
僕「優子は地元に就職したから、実家から通ってるわけだし・・・金銭的余裕はあるんじゃないの?」
優子「え?あるよ?そのために実家から通えるところにしたんだもの。」
僕「僕は、この一年、貯蓄できずにいたわけで、その大半の理由は優子と付き合うためで・・」
優子「それは、あなたが提案したことよ?いい?私は社会人になったの。これからやりたいこともあるし、将来への不安もある。貯蓄はできるうちにしたいの。」
僕「僕も去年全く同じことを考えてたよ・・」
優子「なら私が貯蓄したいのもわかるよね?それに、私もこれから休みが取れなくなるよ?社会人の付き合いって多いのよ?」
僕「うん。多いよ。僕は、それを断ってきたんだよ?そして。この一年、正直白い目で見られることも多かったよ?あいつは付き合いが悪いって。」
優子「なら、私が社会人の付き合いを大事にしていきたいっていうこともわかるわよね?」
僕「え・・・」
絶句した。
僕は、優子が社会人になれば、僕のこの一年間の苦労・大変さが本当の意味で身に染みてわかってくれるものだと思い込んでいた。
ああ、毎週会いに来ることってこんなに大変なことなんだ。
ああ、毎晩電話することって、こんなに大変なことなんだ。
ああ、貯金せずに遠距離を頑張るって、こんなに大変なことなんだ。
僕の優子への愛情が、こんなに深いものなんだ。
そう、理解してくれるものだと思い込んでいた。
この時、自分の中で、何かが壊れた。
優子「正直、私は今まで、籠の中の鳥だったわ。社会に出てよくわかった。社会に出たら、やりたいことが山のようにある。」
僕「・・ああ。全くの同意見だよ」
優子「私には可能性がたくさんある。遠距離恋愛でその可能性が減ってしまうのなら・・」
僕「減ってしまうのなら?」
聞いてはいけない。
この先は聞いてはいけない。
僕「減ってしまうのなら、なんだよ!!」
優子「私は、あなたと一緒には歩いていけなくなるわよ!」
彼女は、そのまま何もしゃべらなくなった。
そして、部屋に帰ると、荷物をまとめ、帰っていった。
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