木村夏樹のむきだし
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10: ◆ao.kz0hS/Q[saga]
2017/02/25(土) 21:59:39.92 ID:CYpm3u/s0

「んん〜? なに? どしたの〜?」

「んっ…はぁ…はぁ……はぁ…」

「Pきゅん、もしかしてまだ拗ねてるの〜? だから今日急に来たのはごめんって〜♪」

「……はぁ…はぁ…」

「もう〜♪ 怒んないでってばぁ〜♪ 今日だってちゃんとテレビに出してあげたし、演奏の順番だって悪くなかったでしょ?」

「……」


ブ男のちょっとひっかかる言い回し…それを聞いたPさんは俯けていた顔をようやく上げた。
出して…あげた…?
今日…? テレビ…演奏…順番…?
あぁ…ヤバい…寒気がしてきやがった…頭が、足元がフラフラする…。


「んもう♪ Pきゅんはワガママさんだなぁ〜♪ じゃあサービス♪ まだペンディングにしてたんだけど、今度のCM…Pきゅんのアイドル使っちゃおう♪」

「っ……!」


あああああああ……だっ、だめだ…気分が……。


「他の候補もいるんだけどね、社長権限で俺がごり押ししちゃう♪ だ・か・ら……ね?」


Pさんがブ男の顔を見上げた後、Pさんが…Pさんが…!
ブ男の前で膝をつき直して…ああああああああ!!!
嘘だ!やめろ!やめてくれ!!!!


「○○社長…いつも…お仕事を恵んで下さって…本当に…ありがとうございます…っ」


手を…床に…頭を…下げて………。


「やっ、違うって〜♪ そういう意味じゃないよぉ〜♪ 俺とPきゅんのナカじゃないかぁ♪ そんなのより…こっち♪ ね?」

「…………はい。……ぇぁぁぁむっ」

「ほぉおおおおお♪ きたっ♪ Pきゅんのオクチ♪」

「んぷっ…はぁぁんっちゅ…んぶっ……じゅるるるるっ」

「あぁっ!あああっ! やっぱり♪ Pきゅんだけだよぉ♪ 女は…クソだ!」

「んんんっ!? ふむぐうぅぅう!?」

「嫁は外で遊びまわって…キャバで貢いでも愛想笑いばっかしやがって! 買ってんのにぬるいプレイしやがって!」

「ぐむうううううっ!? ふぐうぅぅうっ!?」

「Pきゅんとこのアイドルだって…この俺を汚物を見るような目で!見やがって…! クソっ!クソっ!クソがぁっ!」

「ぐぼぉぉ……っ!!! んぼう゛う゛っ!?」

「はぁ!!はぁ!! 男なのに! こんなに可愛いくて! 俺のことを受け入れてくれる! Pきゅんんん〜〜〜♪」

「ん〜〜゛〜゛〜゛〜゛っ!!」

「お゛お゛お゛っ!! きたきたぁっ!! イグよぉぉぉ?ねぇイグよぉぉぉん? 全部飲んでねぇ〜〜♪」

「………!! ……っ!!!」





ウォォオオオ〜〜〜〜イグ〜〜〜〜





もう限界だった。
味わったことのない恐怖にカラダの芯までビビらされたアタシは、本能が命じるままに踵を返し逃げ出した。
転ぶことも壁にぶつかることもなくスタジオの無音扉をくぐることが出来たのはほとんど奇跡だったと思う。


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