21: ◆ao.kz0hS/Q[saga]
2017/02/25(土) 22:15:40.80 ID:CYpm3u/s0
「あ…李衣菜ちゃん…おはよう…」
あれ?
いつもなら私に負けず劣らずの元気な挨拶を返してくれるのに…。テンション低め?
「んん〜〜? Pさん…もしかして……」
Pさんに近づいて、顔を近くで見ると一目瞭然!
「Pさんも寝不足ですかぁ?」
目の下にくっきりとクマができてた。
「ぁ……あぁ…そうなんだ…寝不足でね…。も、ってことは李衣菜ちゃんも?」
「そうなんです、聞いてくださいよー!」
寝不足の理由を話す私はたぶんドヤ顔。
「ファンが寝かせてくれなくて〜」なんて、すっごく芸能人っぽい!?
「そうだったんだね…うん…ファンは大切にしないとね…でも睡眠もちゃんと取るんだよ?」
「はーい、わかってまーす!」
昨日のスタジオでのことや、帰ってから見た録画の映像を頭に思い浮かべると、また胸が高鳴った。
「はぁ〜〜♪ またあんなすごいステージに立てるかなぁ〜? 立ちたいなぁ〜」
「大丈夫……二人なら立てるよ…。それに、新しいお仕事の話もあってね…あ、まだ正式発表はされてないから他の人には内緒なんだけど…」
「え? なんですかっ!?」
Pさんのもったいぶった言い方に、思わずデスクに手を着いて身体を乗り出してPさんに詰め寄る。
「り、李衣菜ちゃん…ちょっと近いかな…」
「ぁ…っ」
気付けばPさんの吐息がかかるくらいに近づいてて、自分の顔がぶわぁっと赤くなるのがはっきりとわかった。
Pさんは外見が女の人っぽいから、ついつい女の子同士の距離感になっちゃうんだった…。
平静を装ってデスクに着いていた手を戻して、Pさんの顔から離れる。
それにしてもなんだろう? また大きなフェスに出られるのかな? それとも別のテレビ番組?
「それでね…二人にはCMのお仕事がもらえそうなんだ。昨日会った○○社長がね、自社のCMに二人を使いたいそうなんだ…。
撮影はまだ先だけど、しばらくすれば打ち合わせも入ってくると思うから……李衣菜ちゃん? 聞いてる…?」
………シーエム? ……CMって?
TV番組の合間に流れるあのCMのこと?
毎日のようにお茶の間に流れるあのCM?
「うわぁ………」
あまりのことに頭が追い付かなくて変な声が出てしまった。
「あの…Pさん…それって…もしかしてスゴイことだったりする…?」
「かなりね。これで二人の認知度も更に上がって、もっとたくさんの人に曲を聴いてもらえるようになるよっ! ふふっ」
テンションの低かったPさんの調子も上がってきたらしく、今日初めての笑顔を見せてくれて、それで私の体温がぐぅぅぅっと上がった。
「うひょーーーっ!」
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