46: ◆ao.kz0hS/Q[saga]
2017/02/25(土) 22:51:13.62 ID:CYpm3u/s0
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目を通していた企画書を読み終わらないままに、目の前のローテーブルに放り投げた。
企画の内容は…正直、面白そうだった。
それにメディアへの露出もかなりあるし、そういう意味でも申し分ない仕事だろう。
でも、だからこそ、その仕事が舞い込んできた経緯のことを推測すると気が散ってしまって、最後まで読み切ることが出来なかった。
「bravery…勇気、えぇと…大胆さ…。Immigrant…移民…あああ〜あ…へへっ」
隣に座るだりーは英単語帳とにらめっこ中。だが集中しているのかいないのか…。
携帯を見てみると19時を過ぎたところ。
こうして二人並んで休憩スペースのソファに腰を下ろしてもう一時間ほど経つだろうか。
レッスンを終えた報告をしに事務所に立ち寄ったものの、Pは外出していて今日はそのまま直帰することになったと事務のおねぇさんが教えてくれた。
だからアタシもすぐに帰ろうと思ったのだが、だりーにお願いされて事務所に居残っている。
一人で勉強しようとするとかえって集中できないんだとかだりーは言っていたが、たぶんそれは方便で…。
「じゃあ私帰りますから、戸締りお願いしますね」
しばらくすると事務のおねぇさんがそう言って帰っていった。
これで事務所にはアタシとだりーだけ。
「alternative……………………」
途端、分かり易くだりーの集中が途切れた。
ブツブツ言っていたのは止まったのに、単語帳を開き続けていて、そしてそのまま話し始めた。
「私……Pさんにフラれちゃった…」
「……はぁっ!?」
何かしらの相談事があるのだろうと予想していたが、そしてそれはP絡みのことなのだろうとは予想していたが、まさかもう告白してしまっていたとは考えもしなかった。
だりーの気持ちを聞いてからまだ一か月も経っていないんだから。
「昨日、車で家まで送ってもらったときに私のキモチ伝えたんだ……」
「そ……うか……」
「私が…アイドルだからっていうこともあるけど……それよりも…私のことをそういう風には見れない…だってさ……へへ……い、妹みたいに……ぐすっ……思ってるんだってさ……」
「だりー……」
単語帳が少しずつ湿っていく。
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