50: ◆ao.kz0hS/Q[saga]
2017/02/25(土) 22:57:21.98 ID:CYpm3u/s0
「ぁ……ぁぁあああ……」
思い出してしまったらもうダメだった。
急に豚肉の腐った匂いが漂い始めてそれが自分の内側からだってわかった瞬間、アタシは狂ってしまった。
「うわぁぁぁああああああーーーっ!!!」
ソファから跳ね飛んで立ち上がり、頭を掻きむしりながら腐臭に満ちた事務所を飛び出した。
外はいつの間にか土砂降り。でもそれは寧ろ幸いで、その豪雨の中を駆け出す。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ!……うそだぁ…うぞだぁぁぁぁ!!」
ものの数秒で下着に至るまでぐっしょり。
それでも悪臭は消えず酷くなる一方だ。
「あはっ………そうか…アタシは…もうっ! とっくに……っ!」
走って、走って、走って。
「アタシは……はぁっ……なんて……サイテーな……」
大好きな筈のだりーを無理矢理襲おうとするなんて…アタシはもう完全に頭がおかしくなっていたらしい。
じゃあそんな頭のおかしいアタシがこれまでPにしてきたことは…?
怒鳴り散らして凌辱して…その癖、取ってきてくれた仕事を平気な顔でこなして…。
……アタシはなんで自分に理があると思えていたんだろう?
Pがどんな想いで、何のために、誰のために、あの豚の相手をしているのかなんて一度だって真剣に考えようともせず、被害者ヅラして弱みに付け込んで、ただひたすらイジメて憂さ晴らし。
はぁ? なんだこれ?
見返りにちゃんと仕事を寄こす豚よりもよっぽど酷いじゃあないか。
「うっ……はぁっ! はぁっ! はぁっ!………ぁぁぁああ゛あ゛ーーーっ!!」
走り続けるのに息が切れて立ち止まれば、汚物のような記憶がフラッシュバックしてくる。
それを発狂したように叫んで食い止め、また走り出す。
グジュグジュの足をただ交互に前へ出し続けて、疲労か寒さかでもう動けなくなりそうな頃に見覚えのあるマンションが見えてきた。
「はは……ちょうどいい……もう終わりにしよう……」
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